「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

NHK 「おはよう日本」 / 「境界性パーソナリティ障害」 (8) -- 感想 (3)

2010年10月28日 20時55分59秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事からの続き)

 例えば、 次のような表現も、 もっと細心の注意を 払って欲しかったと思いました。

(編集に口を出すことになってしまうし、

 BPDは大変なものなのだということを 言いたかったのかと思いますが。)

>  発症の原因も はっきりしないということもあり、

>  今のところ 治療に効果のある薬もない というのが現状です。

 「薬もない」 と言ってしまうと、 見る人に ネガティブな印象を与えてしまいます。

 そのあとで  「心理療法がある」 ことを 言っているのですが、

 例えば このふたつを離すのではなく、

 「薬はないが、 心理療法がある」 とくっつけて 言って欲しかったと思います。

 最初に  「薬はない」 と聞いた視聴者の マイナスの印象は、

 残ってしまうのではないでしょうか? 

 あるいは、 「今のところ薬では、 根本的に治すことはできませんが、

 感情を落ち着かせるなどの 対症療法はできます」 というように、

 プラスの情報を送ってほしいのです。

 とにかく少しでも 誤解や偏見を生まないため、

 草分けの報道は 慎重の上にも慎重を期す 必要があると思います。

 ちなみに、 発症の原因 (ランディ・クリーガー氏によれば 「リスク因子」) は、

 幾つかはっきりしています。

 先天的な脳の気質 (物理的および化学的)、 養育環境、

 個人的な体験、 時代や社会の影響など、

 それらのうち 幾つかが組み合わさって、 BPDが発症するとされています。

 それも短時間の放送で 詰め込むことができなかったのかもしれません。
 

>  若年層の自殺を考えるうえで、 境界性パーソナリティ障害を頭に入れて、

  対応対策を考えていく 必要があると思います。

 これは今まで 公に言及されたことがなく、

 僕は常々 考えてほしいと思っていたので、 とても大切なことです。

 ぜひ次回の番組では、 また別の切り口で BPDを描いてほしいと思います。
 

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