「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ぼくはうみがみたくなりました」 (2)

2009年09月23日 18時14分07秒 | 映画
 
(前の記事からの続き)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59713067.html

 映画は、 自分を見失いかけていた 看護学生の明日美 (大塚ちひろ) が、

 偶然 自閉症の青年・ 淳一 (伊藤祐貴) に出会い、

 ドライブをする ロードムービー形式の話です。

 自閉症のことを 全く知らなかった明日美が、

 次第に観客と共に 自閉症を理解していく 筋立てになっています。

 その中で明日美も 自分を取り戻していきます。

 全編、 暖かさやユーモアに包まれ、 ほんのり癒されるような 作品です。

 先日観た 「BALLAD」 より 遥かに面白く、

 気持ちが引き込まれる 良い映画でした。

 障害者の家庭だからといって、 悲惨で 重苦しかったりするのではなく、

 現実の家族は 陽気に過ごしています。

 過度に気を遣ったり 心配したりもせず、 突き抜けて ありのままを受け入れ、

 あっけらかんとしているのが 印象的でした。

 しかしもちろん、 パニックを起こす 激しいシーンや、

 周囲の誤解や偏見による 厳しいエピソードもあります。

 それらも含めて、 自閉症の描写については やはりリアリティがあります。

 特に 淳一を演じる伊藤さんは、 前もって 大勢の自閉症児から学び、

 自閉症の人の動作などを 完璧に身に付けました。

 淳一役を決める オーディションのとき、

 一生懸命 自閉症を演じる 他の参加者の中で、

 一人だけ “本物” がいるのではないかと 思われたほどだったといいます。

 そして、 淳一のセリフや言い回しは、

 山下さんの長男・ 大輝君の 実際の口癖だそうです。

 口調なども 大輝君そのままだということです。

 何となく うるうるするシーンが 幾つもありました。

 今後この映画が 各地でもっと上映され、

 自閉症への理解が もっと広まってほしいと思います。

(すでに 自主上映の予定が 多数決まっています。)

(次の記事に続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59722304.html
 


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