(http://blog.goo.ne.jp/geg07531/e/d60a0f064de73fb7b81cef14bee02c4b からの続き)
○東央大病院・ 廊下
川添が 美和子と世良に説明している。
川添 「(憂色を浮かべ) クモ膜下出血です。
出血の範囲が広くて 難しい状況ですが、
何とかやってみます」
美和子 「お願いします」
廊下を 木下直哉 (45才) が血相を変えて
走ってくる。
直哉 「(狼狽) き、 木下です …… !
家内が倒れたって ……… !?」
川添 「ご主人ですか? こちらです!」
川添、 直哉を 治療室の中へ連れていく。
ふたりを見送る 美和子と世良。
幸枝のベッドへ 導かれる直哉。
直哉 「幸枝 ……… !? ど、 どうしたんだ、
おまえ ……… !?」
川添 「動かさないでください」
直哉 「(幸枝のベッドにすがりついて) 幸枝、
しっかりしろ …… ! 幸枝~~……… !!
(泣き崩れる)」
美和子と世良、 外で見ている。
美和子 「……… (何かを考えている)」
世良 「(美和子を見る) ………」
○ディスコ
眩いばかりのイルミネーション。
耳をつんざく大音響。
美和子と世良、 激しく踊っている。
(以下、 フキダシでなく 「 」 で)
(世良) 「何を考えてた--?」
(美和子) 「何のこと--?」
(世良) 「俺たちはあの人を 助けるために運
んできた--」
(美和子) 「そうよ--」
(世良) 「今、 心の底から 木下さんが治るこ
とだけを 望んでると言えるか--?」
(美和子) 「言いたいこと はっきり言えば
--?」
(世良) 「期待してるんじゃないか--?」
(美和子) 「脳死を? あの人の--」
(世良) 「心のどこかで---」
(美和子) 「そんなこと--」
(世良) 「--責めてるんじゃないんだ-
-」
(美和子) 「じゃあ何?--」
(世良) 「--俺は、 自分が恐ろしい 気がす
る--」
(美和子) 「え---?」
(世良) 「--俺も-- 一瞬期待した--
-」
(美和子) 「----」
妄執を振り払おうとするように 我を忘れ
て踊り狂う二人。
(次の記事に続く)
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