「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

H氏にとっての死刑制度

2006年03月27日 19時19分31秒 | 死刑制度と癒し
 
 加害者が犯した行為は死刑に値する罪だと、本人に認識させるのは大切です。

 でも死刑判決と死刑執行とは全く別物だとH氏は言います。

 死刑制度は国家による殺人だと。

 第三者にとっては処刑で全てが終わりますが、被害者にとっては死ぬまで苦しみが続きます。

 死刑制度存廃の議論は、被害者の救済や人権が確保されて、はじめて触れられる問題でしょう。

 被害者救済制度が充分に整えば、被害者は加害者に対する応報感情が和らぎ、必ずしも極刑を望まない場合もあります。

 被害者支援と死刑廃止は対立するものではなく、両立しうるものだと考えられます。

 H氏はこう考えています。

 何より大切なのは被害者救済なのに、わが国ではいまだに、悪い奴を吊るして一件落着と思っている向きが少なくない。

「死刑制度こそ被害者救済の道を閉ざしている元凶だ。」

(続く)

(参考文献・「されど我、処刑を望まず」)
 


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