「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

憎しみの連鎖を断つ/「アミティ」(9)

2006年04月13日 19時36分42秒 | 死刑制度と癒し
 
 アミティのプログラムは受容的であるため、受刑者に対して本来の刑罰的な意味合いを持てないのではないか、という懸念があります。

 しかし受刑者たちは、今まで記憶の底に押し込めていた、虐待や迫害などの無残な体験に直面するという、この上なく辛い作業を強いられるのです。

 それは非常に厳しい刑といえるかもしれません。

 そして、その道のりを経ないことには、彼らの精神が立ち直っていくことはありません。
 

 アミティの思想を学ぶことは、暴力の連鎖を断ち切り、「憎しみの再生産」ではなく「命のつながり」を実感することです。

 「罪を犯したのはその人の一部」であると、犯罪者を全人格的に捉えていくことが求められます。

 そのとき、我々自身の価値観が問われます。

 人が変われるかどうかは、その人が希望を見つけられるかどうかにかかっています。

 それには、その人の可能性を信じ、一人の人間として受け入れていくという支えが、何よりも大切でしょう。
 


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