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「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界の特性 (1)

2014年07月14日 21時18分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 境界を理解するためには、 具体的に話し合うことが一番です。

○ 「小人の家」 演習

 皆さんとBPDの人が同居しており、 家計も一緒にしていると 仮定してください。

 BPDの人が、 庭に小人の置物を集めようとします。

 様々なタイプ, サイズの置物を購入します。

 次第に 費用やスペースの問題が生じます。

 「小人の家」 を見ようと 人々が車で乗り入れてきて、

 近所の人たちは腹を立てます。

 芝を刈るたびに 置物を移動させなければなりません。

 次の質問に答えてください。

・ 置物に費やす費用は、 どの程度が妥当だと考えますか? 

・ 置物に当てるスペースは、 どの程度が妥当だと考えますか? 

・ 芝刈りをするときに、 誰が置物を移動させますか? 

  置物の掃除は誰がしますか? 

 皆さんが本当に 「望んでいるもの」 は 何であり、

 何を 「必要としているか」 を よく理解してください。

○ 境界特性その1

 『皆さんの境界は、 皆さんに特有の要因から 生じています。』

 ほとんどの人は、 ひとつの基準が 万人に当てはまると想っています。

 しかし そんなことはありません。

 BPDの人が 皆さんの境界は間違っている と言う場合、

 それは本人にとって 何が正しいかをであり、 皆さんにとって ではありません。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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どうして境界が必要なのでしょうか? 

2014年07月13日 19時57分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 皆さんにとって

 境界は、

 私たちがコントロールされ、 貶められ、 不当に判断されることを防ぎます。

 境界によって、 私たちの信念や好みが はっきりします。

 それがないと、 私たちは 他者の要求に圧倒され、 道を踏み外しかねません。

 ボーダーの人の激情を 檻に入れることによってではなく、

 強固な防護柵を 自分の周りに作ることで、 安全を保ってくれます。

○ 二人の関係にとって

 境界によって、 人はお互い尊重し合い、 安心が生まれ、

 受容と信頼が より深いものとなります。

 これらは BPDの人が非常に求めているものです。

 境界がないと、 人間関係は混沌とし、 不安定で、

 敵意に満ちたものとなりかねません。

 BPDの人は 境界を嫌いますが、

 境界は 彼らが渇望する 密接な結びつきをもたらすのです。

○ BPDの人にとって

 BPDの人は、 しっかりとした境界を持っておらず、 境界を罵ることがあります。

 しかし通常、 境界は彼らのためになります。

 彼らは、 構造化された環境では よりうまく行動するといいます。

 BPDの人の中には、

 自分がコントロールを失ったことを知ると、 非常に後悔する人が 数多くいます。

 彼らの激しい怒りが エスカレートするのを避けられれば、

 彼らは 感情のコントロールを取り戻すことができます。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳: 遊佐安一郎〉より〕
 
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境界とは何でしょうか?

2014年07月12日 19時57分13秒 | 「BPDファミリーガイド」より

 ここでは例えば、  「午後9時以降は電話をかけないで」 というような、

 「観察可能な」 タイプの境界に 焦点を合わせることにします。

 他の境界は、 精神的・ 感情的自己と関係があります。

 私たちには 自分の空間と自立が必要です。

 ありのままの自分であることと、 他者が望む自分であることの、

 バランスが大切です。

 健全でバランスの取れた関係と、 不健全でアンバランスな関係を 示します。

健全 : 本来の自分だと感じる

不健全: パートナーがいないと物足りない

健全 : 自分の幸せに責任を感じている

不健全: パートナーが幸せにしてくれることを 期待している

健全 : 一緒にいることと離れていることの バランスが取れている

不健全: 一緒にいることが多すぎたり、 少なすぎたりする

健全 : 他にも友人関係がある

不健全: パートナー以外の友人関係がない

健全 : 両者のよい点に 焦点を合わせている

不健全: 相手の悪い点に着目する

健全 : 率直で誠実なコミュニケーション

不健全: 駆け引きをする, 相手の話に耳を傾けない

健全 : パートナーへの誠実さ

不健全: 嫉妬, 依存, 不誠実

健全 : 相手との違いを尊重する

不健全: 相手の性質を責める

健全 : 関係の変化を受け入れる

不健全: 関係が常に同じであるべきだと 感じる

健全 : 望むことを正直に求める

不健全: 望むことを表現できない

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳: 遊佐安一郎〉より〕
 
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パワーツール4 : 愛情をもって境界を設ける

2014年07月11日 21時15分15秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 境界を定めようとすると、 次のようなことが起こります。

・ BPDの人は、 non-BPDのほうが間違っていると言い、

  言葉で魔法の罠を作る。 その驚異的なパワーから誰も逃れられない。

・ BPDの人は、 ときには微妙な、 ときには露骨なやり方で、

  non-BPDに罪悪感を抱かせる。

 non-BPDの中には、

 ボーダーの人が境界を守るつもりはないと 認めざるを得なくなって、

 関係を終わりにした人もいます。

 しかし、 ボーダーの人が 何年も境界を崩そうとしたあとに、

 境界を守り始めたと言う人もいます。

 あるnon-BPDの男性は 次のように話しています。

 「彼女はいつも 自殺すると言って僕を脅しました。

 僕は、 何か間違ったことを言ってしまわないか ビクビクしていました。

 僕は 他の家族と語り合うようになって、 2つのことに気付きました。

 もっと強くなって、 境界を構築し直さなければならないということです。

 彼女が激怒して 悪口を言い始めたら、 僕は出ていくと 彼女に言いました。

 彼女は激怒し、 事態は10倍も悪化しました。

 でも 僕には覚悟ができていました。

 その場を去るのが 最善策だと納得していたんです。

 僕は数回家を離れ、 1~2日帰らないこともありました。

 僕は彼女に、 状況を改善する必要があると 言いました。

 このままでは僕は壊れてしまうと。

 僕が真剣であることを、 彼女も理解するようになりました。

 とうとうある日、 彼女は僕に謝りました。

 時間がかかりましたが、 状況は改善したのです。

 彼女は自分の行動に 責任を感じるようになりました。

 とうとう僕たちは 心と心で話せるまでになりました。

 「僕は随分苦しんでいる」 と 言うことができました。

 僕は自分自身を 労らなくてはならないことを学びました。

 境界を定めるというのは、 僕たちの関係を 続けるための方法なのです。

 状況は改善する前に まず悪化する、 それを受け入れることが必要です。」

 境界を定め、 最後までそれを貫くことが、

 BPDの人が行動をコントロールできるよう 手助けし、

 関係を改善するためにできる 強力なことなのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (9)

2014年07月04日 21時25分34秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

◇ 禁句

 非承認的な言葉や、 本人の考えや感情が 間違っているという言い回しは

 避けてください。

・ 別の考え方, 感じ方をするよう命じる:

  「感情的になるのはやめなさい」 「幸福に感じるべきよ」

・ 認識の仕方を否定する:

  「言い争うほどのことじゃないのよ」

・ 感情を過小評価する:

  「動揺するほどのことではないよ」

・ 判断し、 ラベル付けをする:

  「感情的すぎるよ」 「怒りっぽい人ね」

・ けなすような問いかけをする:

  「一体どうなってるの?」 「どうしてこんなことで大騒ぎするの?」

・ 「いつも」 または 「決して」 と言う:

  「いつも 君のせいで台無しだ」 「あなたは私を 決してほめないわ」

◇ あるコミュニケーション方法

 重要な話題を持ち出すとき 最初にするのは、

 「気分はどう?」 と尋ねることです。

 「動揺させてしまうかもしれないんだけど」 と 心の準備をさせます。

・ 「あなたを認めてないように 聞こえるかもしれないけど、

  そんなつもりじゃないのよ」

・ 「あなたの気持ちを 傷つけてしまうかもしれないけど、

  気兼ねなく話せるようにしておくのは、 長い目で見て 一番いいと思うの」

  「私は」 という 一人称を用います。

・ 「私は 圧倒されそうな気持ちよ」

・ 「私は 批難されているような気がするの」

・ あなたの気持ち、 ある程度理解できるわ。 でも私が変えられることではないの」

 相手の感情に 共感的な言葉を述べます。

・ 「どうしてそんなふうに思うのか、 分かるわ。

  (承認が相手に伝わるように、 少し時間を取ります)

  でもね……」

・ 「私があなたの立場だったら、 同じように感じたでしょうね。

  でも、 傍から見ると、 こんなふうに映るの ……」

 BPDの人が 感情をコントロールできなくなったら、

 しばらく別のことをすれば、 衝動的にしなくなる可能性が高まります。

 BPDの人は 多くの安心と慰めの言葉を 必要とします。

 コミュニケーションの方法を発展させるには 何年もかかります。

 しかし 結局はうまくいくのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (8)

2014年07月03日 21時04分19秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 準備と実践

 機能不全の行動に 捕らわれないためには、 それを予測することです。

《過敏な反応性を落ち着けましょう》

 BPDの人との これまでの会話を振り返ってください。

 安全なときに それらを思い浮かべ、

 その言葉が意味をなさなくなって 威力を失うまで、 想像を続けてください。

《ありありと思い浮かべましょう》

 適切な言葉, 非言語的コミュニケーションを用いて、

 会話が望み通りに進んでいく様子を 思い描いてください。

 目標を達成できたら どのように感じるか、 想像してみてください。

《練習しましょう》

 カードを作って、 気に入った言い回しを 覚えてください。

 その後、 他の人を相手に、 または空の椅子を用いて、

 ロールプレイしてみましょう。

・ 深呼吸しましょう。

・ 身の安全を確保してください。

・ リラックスした表情で、 BPDの人と 同じ姿勢をとってください。

・ 本人の言葉に同意しなくても、 感情を共感的に認めてください。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (7)

2014年07月02日 20時37分31秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 緊張を和らげましょう

 好戦的でない言葉を 使ってください。

 落ち着いた声の調子や動作で、 相手を安心させます。

 恩きせがましくなく、 率直に。

・ 「あなたの言うことは理解できるけど、 私が言おうとしているのは ……」

・ 「僕自身が はっきりしていないのかもしれないね。

  僕が本当に思っているのは……」

・ 「もしかしたら、 あなたは私を 誤解しているのかもしれないわ」

対話をうまく管理しましょう。

・ 「その話題に戻りましょうか」

・ 「妥協点を見つけて ○○に焦点を合わせよう。

  □□の問題全体はできない」

・ 返事をしようと慌ててはいけません。

  何と言えばよいか 確信が持てなかったら、 共感的な姿勢で 耳を傾けてください。

協力的な雰囲気を作りましょう

・ 「多分一緒に ○○に取り組めると思うよ」

・ 「私たちが合意している点は ……」

・ 「僕たちはお互いのことを 大切に思っているのだから ……」

・ 「ここには 悪者は誰もいないと思うわ。

  私たちはただ 意見が一致しない点も あるということよ」

 不当な批判や口汚い言葉には、 対応してください。

 アサーティブな 〔*注: 相手の立場に配慮しながら、 上手に自己主張すること〕

 非言語的態度を示しましょう。

 お説教はやめましょう。

・ 「私は 自分のことを大切に思うから、 あなたのそういう言葉は 許せない」

・ 「君が罵るのを 聞くことはできない。 続けるなら僕は出ていくよ」

・ (本人にも言い分があること, あなたにも言い分があることを 認めてください)

  「僕には 君が○○と言っているように 聞こえるよ。 僕自身の考えは ……」

  (この言い回しは 特に有効です)

・ (境界を言語化しておきましょう)

  「悪口を言っても 何の解決にもならないわ。 別のときに話し合う必要があるわ」

  (落ち着いているときに 境界を設定しておき、

  再びこういうことが起きたら 皆さんは部屋を出ていくと、

  本人に伝えておきます)

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (6)

2014年07月01日 21時38分37秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 遅らせ、 気をそらせましょう

 相手の感情が高ぶっているとき、 共感的な方法で 展開を遅らせることができれば、

 BPDの人が衝動的になるのを 抑えられるかもしれません。

 気をそらせるのは 特に有効です。

・ 「あなたに 精一杯の関心を注ぎたいの。 でも 今は待ってくれないかしら。

  (具体的な時間を提案します。 数分でも効果的です)

  そのあとなら、 あなたの話に 耳を傾けられるわ」

・ 「このことについては、 私も考える必要があるわ。

  だから今までのことを 全てよく考えたいの」

・ 「君が 今すぐ答を求めてるのは 分かるよ。

  でも僕には 考える時間が必要なんだ」

・ (本人が 見捨てられた気持ちにならないよう、

  二人ですることを提案してください)

  「あとで話をしよう。 まずは散歩に行きましょうよ」 など。

・ 「座って話をしないか。 その前に コーヒーを入れさせてもらっていいかな」

・ 「いま思い出したわ。 携帯の電源を切っておかなくちゃ/

  洗濯機に あなたのシャツを入れなくちゃ」

・ 「ちょっと待って。 その間にトイレに行ってくるから」

  (緊迫感を表してください。

  そうすればBPDの人は 無視されたように感じません)

・ (何も思い付かない場合は)

  「ちょっと待ってね」

  (それからどこかへ行って、 戻ってから言うべきことを考えてください)

o DEAR

 描写する (describe), 表現する (express),

 主張する  (assert), 強化する (reinforce) の頭文字です。

 後述します。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (5)

2014年06月29日 20時32分37秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

《防衛的にならない》

 防衛的反応は、 「あなたの感情は間違っている」  というメッセージを伝えます。

 人は激怒すると、 別の見方ができるか 冷静に考えることができません。

 自己防衛を試みても、 火に油を注ぐだけです。

 当人が望むことは、 話を聞いてもらうことです。

 もちろん、 反論せずに耳を傾けるのは、 傷つくことを意味します。

 怒り, 批判, 批難を、 受け入れるべきだということではありません。

 BPDの人には、

 問題を抱えていることを認め、 病気を管理していく 責任があります。

 BPDの人は 脳の障害を持っているのだということを、 心底認めることができれば、

 皆さんはダメージを受けることなく、 言葉を素通りさせることができるでしょう。

《遅らせる, 気持ちをそらす, 緊張を和らげる, DEAR》

 「責める」 ような表現は 避けてください。

責めるような表現 : あなたが喧嘩を始めたのよ

中立的な表現 : 私たちは喧嘩になったのよね

責めるような表現 : 君が叫び続けたから、 僕はその場を離れたんだ

中立的な表現 : 喧嘩がエスカレートしたから、 僕は離れる必要があったんだ

責めるような表現 : 君がこうしたんじゃないか

中立的な表現 : こんなことが起こったんだ

責めるような表現 : あなたが怒鳴ったのよ

中立的な表現 : 大きな声だったわね

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (4)

2014年06月28日 21時22分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 認めていることを 言葉以外の方法で伝える

 コミュニケーションにおいて、 言葉で伝えられるものは わずか7%です。

 残りは、 声の調子 (38%) と 表情 (55%) で伝えています。

 言葉と身体言語が 矛盾している場合、

 聞き手は、 言語ではなく、 非言語のほうを信じるのです。

 そしてBPDの人は、 非言語的コミュニケーションに 信じられないほど敏感です。

 以下は、 共感的に認めることと 傾聴のために、

 すべきことと すべきでないことです。

するべきこと:

・ アイコンタクトを用います。

  優しい, しっかりとした, 関心を伝える目で 見てください。

・ 表情をリラックスさせてください。

  目が笑っていない 偽りの笑顔はいけません。

・ 腕は組まないで。

・ 首をわずかにかしげます。

・ 聞いていることを示すために、 ゆっくりと頷いてください。

・ 身体をリラックスさせてください。

・ 座っている場合は、 関心を示すために 上体を少しだけ 前に傾けてください。

・ 近づいてください。 ただし近づきすぎてもいけません。

・ 話すときは、 1秒待ってから話してください。

・ BPDの人が楽になるよう、 はっきり分からないように、

  相手と同じ姿勢をとってください。

・ 接触は 究極の非言語的な結びつきです。

  どのように触れるかは、 相手との関係性と状況次第です。

すべきではないこと:

・ 歯を食いしばる

・ 睨む, 目を背ける

・ 目を閉じる

・ 顔をしかめる, 眉をひそめる

・ あくびをする

・ そわそわする

・ 身体を緊張させる

・ 後ろにもたれかかる

・ 時計や出口を見る

・ 貧乏ゆすりをする

・ テレビを観る, 他のことを始める

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (3)

2014年06月27日 20時55分07秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 認めていることを言葉で伝える

 優しく、 穏やかで、 相手を理解するよう、 丁寧にしてください。

・ 言葉による励ましを用いましょう:

 「へえ」 「そう」 「すごいね」など、

  相手の話に耳を傾けていることを 表します。

・ 相手の感情を 鏡のように返しましょう:

 「悲しいね」 「恐ろしいね」 「素晴らしいね」 「大変だったろうね」

・ 関心を持っていることを 示しましょう:

 「私も幸福に思うわ」 「僕も寂しく感じるよ」 「僕も幸福な気分だよ」

・ 激しい感情を強調しましょう:

 「え~、 そんな!」 「そんなことがあったなんて!」

 承認的な質問は、 解決策を見つける手助けに 重要です。

 皆さんが相手の問題を 解決する必要はありません。

 彼らが 自分自身の感情と願望を探求し、 解決策に導く手助けができます。

 以下のような表現が提案されます。

・ 以前このようなことがあったとき、 どうしたの?  どう感じた? 

・ どのような選択肢がある?  それぞれどんな気持ちになる? 

・ 話を聞こうか?  どうしたら君の力になれる? 

・ 直感的に、 どう感じる? 

・ 情報を得る場や、 電話できる相手はいる? 

・ 別の見方ができる? 

・ 過去に思い付いた解決策が、 うまくいくのでは? 

・ 友だちに同じことが起こったら、 どう言ってあげる? 

 具体的に説明してくれるよう 頼んでください。

 ただし、 厳しく尋問してはいけません。

 相手を理解しようという 嘘偽りのない気持ちが、 承認に繋がるのです。

 真に重要な、 BPDの人の感情的な弱さに 呼びかけることになるからです。

 「明確化のための質問」 は、

 スプリッティング - 羞恥心 - 恐れの螺旋をくぐり抜け、

 重要な問題を明らかにするのに 役立ちます。

 いくつかの例を紹介します。

・ 「私が怒っていると言ったけど、 どのことを示していたの?」

・ 「君の気分がよくなるために、 できることはある?」

  「争いを少なくするために、 何をしたらいいと思う?」

・ 「あなたの思いの強さを なかなか理解できないの。

   別の言い方で説明してくれる?  もっとよく理解したいの」

・ 「何があなたにそう思わせたの?」  「どういったことを僕はしたんだろう?」 

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (2)

2014年06月26日 20時23分30秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 共感

 共感は同情とは異なります。

 例えば 同情は、 事故現場に車で通りかかったとき、

 壊れた車のドライバーに  「頑張って」 と声をかけ、

 ドライブを続ける人に似ています。

 共感は、 当人の身になって、 相手の立場に 自分自身を置くことです。

 例えば、 車から降り、 事故にあったドライバーの 肩を抱き、

 「こんなことになって大変だね」 と 言ってあげる人です。

o 積極的傾聴

 私たちは大抵、 話を聞いているとき、 他の考えが 頭を出たり入ったりします。

 どう返答しようかと 考えることが多いのです。

 過去の争いに話が触れると、 言い返せる機会を伺います。

 私たちは 同意できないことを取り除き、

 自分の考えに合うものに 焦点を合わせます。

 言われていることの 微妙なニュアンスを 聞き逃してしまいます。

 これが 欲求不満や誤解を 引き起こしてしまうのです。

 積極的傾聴は、

 「私は全神経を集中させて 耳を傾けます」  というメッセージを伝えます。

 判断, 意見は 一時保留しましょう。

 相手の言葉, 声の調子, 表情, 身振り手振り, 感じていることに

 焦点を合わせてください。

 同意できない場合でも、 顔をしかめたくなる衝動を 抑えてください。

 BPDの人の、 表に出ている感情だけでなく、

 内奥にある感情にも 目を向けてください。

 途中で口をはさむのは 厳禁です。

 身の安全が問題の場合や、 混乱して説明が必要でない限り、 話をしないでください。

 アドバイス, 慰め, 励ましは、 相手の話の 邪魔をするだけではありません。

 共感的に認めるのに欠かせないこと --

 相手の言葉が 本人にとって何を意味するのか -- を、 見失ってしまいます。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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意図的なコミュニケーション (1)

2014年06月25日 21時25分56秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 私たちは 事態を悪化させるつもりでなくても、

 怒りをあらわにし、 自己防衛します。

 自分が正しく、 間違っているのは相手だと 分からせようとします。

 しかし、 たとえ望み通りになっても、 二人の関係の代償は 高くなってしまいます。

 BPDの人のほうが より代償は高く、

 スプリッティング - 羞恥心 - 恐れの螺旋の 引き金となります。

 意図的なコミュニケーションは、

 言葉で勝つアプローチに代わる、 素晴らしい方法です。

  「この人を落ち着かせよう」 「彼らの協力を得よう」 などの意図を持ちましょう。

 以下のような理由で 役に立ちます。

・ 何が目標か分かると、 目標に達する可能性が 高くなります。

・ 目標に到達しなくても、 正しい方向に向かっています。

・ 状況をコントロールできている 気持ちになります。

・ 状況を悪化させることが 少なくなります。

《聞いたことを認める》

 共感的に認めることは、 最も強力なコミュニケーション・テクニックです。

 「承認」 という表現に似ています。

 共感, 傾聴スキル, 認めることを 融合させたものです。

 共感的に認めることには、 2つのステップがあります。

ステップ1:

 質問したり、 何を言おうか考えたりせずに、

 100% 相手に積極的に耳を傾けます。

ステップ2:

 BPDの人の 考え方を感情から引き離します。

 思考に必ずしも同意せずに、 感情を認めたことを 本人に伝えます。

 共感的に認めることは、 思考への同意を必要としません。

 共感的な承認は、 どれほど多くても 多すぎることはありません。

 色々な方法で、 何度も伝えてください。

 共感的に認めることの 3つの要素は、 共感, 傾聴, 認めることです。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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コミュニケーションの準備 (2)

2014年06月23日 20時29分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 激怒

 最も厄介な問題のひとつは、 破壊的な激怒です。

 不適切な怒りが、 突拍子もなく、 頻繁に現れると、 恐ろしいものです。

 BPDの人の怒りを 1から10までのスケールで 評価してください。

 1から5までは、 落ち着けることができるでしょう。

 6以上で、 治療を受けていないと、 鎮めることができないかもしれません。

 6以上の場合は、 彼らの思考と感情は歪んでおり、 言うことは筋が通りません。

 彼らが何を言っても、 耳を傾けないでください。

 彼らは 状況を理解することも、 結果を考えることも不可能なのです。

 やり取りを 一時的に中断させてください。

 怒りが続けば、 その場を立ち去ってください。

 議論したり、 捨てぜりふを言うのはやめましょう。

 以下の言葉のいくつかを 繰り返してください。

 「あとで話すことにしよう。 落ち着いたときにね。

 僕は君の話に 耳を傾けたいんだ。

 でも今そうするのは、 あまりに大変なんだ」

 「気を静めるために、 少し時間をください。

 あとでなら話ができるから」

 自分自身に 以下のように言ってください。

 「このことを個人的に受け止めない。

 これは ボーダー・ライオンが話しているのだから」

 「ここに留まって言い争ったら、 事態はますます エスカレートしてしまう。

 僕も、 二人の関係も傷ついてしまう」

 「本人には、 今すべてを理解できないけれど、 私にはできる。

 今は楽ではないとしても、 続ければきっと 楽にできるようになる」

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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コミュニケーションの準備 (1)

2014年06月22日 22時03分50秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
《呼吸》

 切羽詰まると、 ストレス反応は、 心身に混乱を引き起こします。

 深呼吸をすると 落ち着いて、 考える余裕ができます。

 胸ではなくお腹で、 ゆっくりと深く呼吸してください。

  「呼吸の部屋」 を作ってもいいでしょう。

 安全で、 力づけてくれる、 想像上の場所です。

《安全第一》

 BPDの人とのコミュニケーションの 第一ルールは、

 いつなら安全かを知ることです。

 注意事項は、 激怒/言葉の暴力, 身体的暴力, 自殺の脅しです。

o 身体的虐待と自殺

 虐待する男性の約3割, 女性の約5割が BPDを持っています。

 身の安全を守ることが 必要です。

 助けを求めてください。

 自殺の危険性が 差し迫った場合には、

 救急車を呼ぶか、 病院に連れていってください。

 家族は躊躇して、 問題に取り組まないことがあります。

 BPD本人も、 「余計なお節介」 をやめるよう 言い張ることがあります。

 家族は、 本人が落ち着いているときに、 自殺の話に取り組むと、

 かえって問題を引き起こしてしまうのではないか と恐れます。

 しかし、 事前に質問することで、 困難を避けることができるのです。

 BPDの人は 感情を言葉にするのが苦手で、 破壊的な行動化をする傾向にあります。

 従って、 隠し立てをしないで、 質問して問題に取り組むか、

 セラピストに相談することによって、

 行動ではなく言葉で、 感情に対処できるようになるのです。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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