蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

NHKスペシャル―自衛隊30年の変貌―を視る 

2019-04-21 00:30:43 | 時事所感
   
2019.4.20(土)

 国民世論の割れる憲法9条の縛りの中で、その時次第、自己都合のアメリカからの強い圧力の下、どう応えればいいのか、呻吟する自衛隊の実態が僅かに身近に感じられた。
 
 日本国憲法について、今日までさまざまな議論を聞いてきた。だが煎じ詰めてみれば、わが祖父母の世代が、成り行き任せの貴方任せの集団妄想、迷走の結果、戦前には予想もできなかった壊滅的な国家破綻。
 その反省の上にもう二度と戦争はこりごりと先のことは深く考えずに、疲労困憊、面倒なことはアメリカさんが任せておけというのならそれも結構なことと戦力不保持、アメリカ任せの新憲法を有り難く押し頂いて、今日まで金科玉条としてきたのではないか。

 ところが当のアメリカ。戦争終結当時は、小さい癖して向こうっ気ばかり人一倍、死ぬまで音を上げない薄気味悪い民族の牙だけは抜いてしまうつもで、お前達は何もしなくて好い、悪い乱暴者が現れたら俺様が片付けてやるからと、空約束はしたものの、あれから半世紀あまり、世は移り時の過ぎゆく中で、力任せに世界中のあちこちに広がりきった縄張りに、中国、ロシア、アルカイダの跳梁跋扈に手が回らず、今やあの約束が眼うえのたんこぶになったのだ。
 そのあげくが自分が押しつけたことなどとっくのとうに忘れ去り、俺が困っているとき助っ人にもこないなら、おまえのことなどどうなろうと知ったことかと手のひら返しだ。
 
 こんな状況の中で、優柔不断の無責任なその場しのぎの政治屋の下、下駄を預けられた自衛隊幹部諸官の苦悩はもとより、中途半端な位置づけの下で黙々と命令に則して身を挺しなければならない自衛隊の皆さんに何とも言えないすまなさのような気持ちになったのは私だけだろうか。

 あらためて周囲を見渡せば、米日韓の三国同盟のはずが、今や肝心の韓国は、なにかと言えば我が国を目の敵だ。いったい韓国の文大統領、あのごろつき無法者金なんとかになんでああまで手を揉みすりよろうとするのか…。理解不能だ。
 そしてその後ろにでんと控える共産党大帝国の中国。一時は尖閣諸島を一のみにしようとしていたのを、なんとか前・現大統領の尖閣は安保条約の範囲内とのお墨付きで、今は少し様子見の体。だが、何、また少しアメリカとの貿易戦争がおさまったなら、またぞろいつ牙を向けてくることか…。
 さらには北のロシアとは北方領土を挟んでの対峙。

 こんな状況に今の我が国憲法の何と現実離れしたことか。

 正真正銘の独立国なら、自分の国土・先祖伝来の縄張り、そこで暮らす我ら同朋家族。自らを守る気概がなくてどうするのだ。
 
もうこのあたりで、今日の世界の現実を直視し、国民全体で憲法改正について真剣に議論すべきではないか。

 私は、自国のことは国民全体で守る覚悟を明記すべきだと考える。その上で、アメリカとの安保条約は一度白紙に返して、改めて真に対等なものと改定すべきでは。

 このことにより沖縄の不公平不当な負担も解消できるのではないだろうか。それなくしては今問題の普天間基地の問題、辺野古埋め立ての理不尽なゴリ押し問題も解決しないのではないか。

 日本が真に自立した憲法を持ったとき、改めて国連加盟諸国に現行の常任理事国制度の不合理を訴え、日本も実力参加を表明し国連警察機構軍の常設強化を主張し真に国際紛争の早期解決に資することを目指すべきではなかろうか。

 私の憲法改正論は、あくまでも国連平和維持機構の強化策と一体としてである。そのことが現憲法の前文の掲げる理想を実現する一歩になると信じる。