蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

世紀の大発見?STAP細胞、・小保方さんと偽作曲家・佐村河内騒動

2014-03-10 23:57:41 | 日常雑感
3月10日(月)晴れなれど雲多く寒気強気一日。-3~5℃

 新年早々、今年1月末、「生物学の教科書を書き換える成果」と、国内外の研究者が驚きの声を上げた、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)が作製成功を発表した万能細胞「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞(STAP細胞)」。
 その発見の中心であった、小保方晴子・研究ユニットリーダー。割烹着姿のチャーミングな研究姿とあいまって一躍時の人となった。
 近い将来のノーベル賞かとまで騒がれた。

 ところがここにきて、論文に掲載されている写真の画像がおかしいとか、「実験を再現できない」との指摘が続き、世紀の大発見の雲行きが怪しくなってきた。

 このニュースを聞いて、私は、思わず何故か全聾の大作曲家、現代のベートヴェンの再来かとまで騒がれた佐村河内守氏のことを連想してしまった。

 昨年の3月31日の夜、私は、NHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」を視た。
 番組案内に、『“現代のベートーベン”と呼ばれる日本人がいる。佐村河内守(サムラゴウチ・マモル)、49歳。 14年前に病で両耳の聴力を失いながら、クラシックで最も困難とされる交響曲を書き上げた。佐村河内は今、東日本大震災の被災者への鎮魂曲「レクイエム」に取り組んでいる。3月上旬に予定された宮城での演奏会に向けた制作現場に密着。被災者との交流なども交え、“命を削り、音を紡ぐ”作曲家・佐村河内守の実像に迫る。』
とあった。

 私は感動した。暗室のようなくらい部屋で床に倒れこみ天から降りてくる楽曲を必死に捕らえようと苦悶する姿。
 被災地の夜の闇の海岸で手を合わせて津波で亡くなった人々の御霊に祈る姿。
 そして自らの広島の被爆二世としての思いから、17歳の時に着手しそれから20年以上を経て漸く完成させたという、交響曲第一番「HIROSHIMA」。

 この曲を聴いて私は感動した。戦後70年近くたって広島、原爆被災者への鎮魂の曲が、今、漸くできたことに…。曲は荘重で深い悲しみの思いが伝わってきた。
 私は、すぐにアマゾンでこのCDを購入した。

 それから1年も経たないこの2月、小保方さんのSTAP細胞発見の偉業(?)に泥水を浴びせるような偽作曲家騒動である。

 今の時代、私たちは一体何を信じたらいいのだろうか…。昨日は、新時代のニューヒーローのように草木もなびく勢いをみせたタレント政治家が、たちまち今度はどぶに落ちた何かのように叩かれ、けなされる時代…。

 日々のマスコミを賑わすニュースなるもの…。良くも悪くも眉につばをつけて当面は半信半疑でやり過ごすほかないのだろうか…。

 とはいえ、チャーミングで一途なお人柄の小保方さん。どうか、数々の批判を粉砕し再実験を成功させてほしいものである。

 そして、本当は新垣氏が作曲者であった交響曲第一番「HIROSHIMA」。私は、クラッシック音楽のマニアではないが、聴いていてとても好い曲だと感じている。大事にしていきたい…と思う。