蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

今の世の中、世直し一揆が何故起きない?

2007-11-21 01:35:25 | 日常雑感
 11月20日(火)晴れ。日中、暖。
 
  昨日の夜、クローズアップ現代で「悲鳴をあげる“名ばかり管理職”」というの視た。
 
  24時間営業のコンビニでやっと正社員になれたと思ったつかの間、6ヶ月で店長に抜擢され、4日間の研修を受けて管理職に登用された。
 しかし、実態は、平店員の時と変らず、変ったのは残業代がつかなくなっただけ。反対に基本給は若干上がってもトータルの手取りでは大幅な減収。

  洋服の何とかでは、店長と言う名の管理職に抜擢され、これで思うとおり、自分に任された店舗運営ができるかと張り切ったところ、そんなことは露ほども叶わず、全部が本部からの指令。ところが売り上げノルマだけは厳しくそれを達成するために、着もしない背広を売れるほど自分で買い込む始末。

  何のことはない、管理職登用は、体の良い人件費削減策の一手段だったのだ。
 
  今、この手の管理職が大増殖ちゅうとか。
 
  労働法基準法とかでの管理職の要件は、①企業経営の一端を担って任されていること、②出退勤時間が自由であること、③人事権を有すること、と一応定められてはいるものの、強制力やこれに反したからといって、特段の罰則はないという。
  しかし、最近の企業側の人件費削減策としての目に余る乱用ぶりに、何事にも腰の重い厚生労働省も漸く実態調査を始めたとか。

  さらに、最近の企業では、業務を細分化して誰でもができる仕事にして、非正規雇用にまかせて人件費を浮かせるのだという。

  それでなくても雇用者の3人に1人が非正規雇用とか。それがために定職に就けず将来の見通しが利かず、結婚はできず子どもは産めない。
  最近の妊産婦救急外来が受け入れ側の病院に拒絶されるのも、1回あたり、5千円から1万円もかかるため妊娠中に必要な10回ほどの検査を受けていないために、出産時のリスク回避が大きな要因とか。

  政府は、口では少子化対策が急務としながらも、その入り口の問題すらも解消しようとはしないのだ。

  本来なら、ここまで国民生活が圧迫されてくれば、世直し一揆のムシロ旗の1本や2本お立っても不思議じゃない筈が、そんなものはどこにもない。
  全く不思議なことである。

  上記の番組でも、国谷キャスターが、コメンテーターの労働法が専門の先生に「どうすればいいのでしょうか?」とお伺いをたてたら、先生曰く「当事者の方、一人ひとりが声をあげていくことでしょうね」と、まるで他人事のように穏やかに答えていられた。
  
  本当は、この先生、「聞け、日本中の虐げられている労働者諸君!今こそ団結して立ち上がろう!」と激をとばすべきだったのではないだろうか。

  今の雇用問題を打開するためには、官民を問わず終身雇用を廃止し、新規採用は、3年間の有期雇用を原則とし、この期間を優良に勤務したものは、次回は6年間、その次は12年間…と、いささか極端とも思われるぐらい抜本的な法改正をすべきではないだろうか。
  この規定、一般職の公務員はもとより、学校の先生も、警察官も裁判官も例外をおくべきではない。
   こうすることにより、キャリア、ノンキャリアの身分差別も一掃され、現在の公務員の特権的な身分保障に、一部の者とはいえ安逸を貪る結果の不祥事が相当程度減るのではないだろうか。

  そして、官民を問わずこれまた、3年以下の短期雇用は、極々臨時的な業務に限定すべきではないか。
  こうする事により、国民全体の雇用機会の均等化と、格差是正が同時に図られるのではないだろうか。
  

  と思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。