monologue
夜明けに向けて
 



その年の8月半ば頃、わたしと妻と息子とmyukiの一行は本番のコンテストのために新幹線や近鉄などの交通機関を乗り継いで奈良へ向かった。わたしたちのバック演奏はバンドではなくカラオケ用カセットビデオテープ1本で楽器もないので荷物が少なく身軽だった。
全国から集まってくる多くのコンテスト出場者と家族やバンド関係者たちは駅で待ち受けていたわたぼうし音楽祭実行運営関係者に案内されて奈良市内のホテルに分散して振り分けられ、わたしたち一行はハナミズキという旅館に案内されて宿泊した。

本番当日、わたしたちは楽屋でまず声出し練習をした。歌う前にはいつもできるかぎり声を出しきって声帯の準備をする。声優など声を使う人は仕事前に基本練習の声出しをするが声が漏れて人の邪魔にならないように枕に口をつけて叫ぶスター俳優もいる。そうすれば浮ついて不安定だった声が安定して仕事に使用できる強靭な声になるのだ。
そして本番前リハーサルでコーラスのサポートに来てくれた生駒少年少女合唱団のメンバーと数回コーラス部分を練習していよいよ本番ステージに臨んだのだった。
fumio


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