monologue
夜明けに向けて
 





その頃、昔流行ったヒット曲がブームになりmyukiは「懐かしのヒットソング」や「なつかしのグループサウンズ」などのショーの司会の仕事をこなしていた。
そのうちにただ会場で司会をするだけでは不満になって自分も多くの聴衆の前で歌いたくなったと言い出した。
それでわたしのアルバム「カリフォルニアサンシャイン」を聴いたmyukiは自分にもなにか人前で歌える曲を作ってほしいという。それが「水面に書いた物語」プロジェクトの始まりだった。わたしは一曲目に自分でも歌えそうな曲「ミッドナイトブルー」を作って聴かせたがmyukiは気に入らないという。仕方がないので雰囲気を変えて次に若い女性の感性に合いそうな曲「軽々しく愛を口にしないで」を作って聴かせた。今度は気に入ったというのでバックバンドがなくても歌えるようにカラオケテープも作って渡した。それで次の司会の仕事の時にショー会場に持参したカラオケテープで歌ったのだった。だれも知らないただの司会者がプロの集まって演奏するショー会場でまだだれも知らないヒットもしていない歌を歌ったのは無茶で画期的なことだった。すごく受けたといって喜んでいた。あれで受けるのならそのままの路線でゆこうと「水面に書いた物語」プロジェクトの曲作りは軌道に乗ったのだった。
fumio

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