monologue
夜明けに向けて
 



最後の出場者のパフォーマンスが終わってから結果発表までずいぶん時間がかかった。
今回は、わたぼうし大賞と文部大臣賞の受賞者が2年後にシンガポールで開催される「第1回アジア太平洋わたぼうし音楽祭」の日本代表として出場することが決まっているから簡単には決定できずに審査が紛糾して揉めたようだ。出場作品それぞれに素晴らしい魅力があったが日本代表としてふさわしいかどうかとなるとむづかしいかも。
ステージ上で出場者のみんなと並んでどうなるのかと待っているとやっと用意ができて出場者みんなにそれぞれの賞が順番に発表された。わたしはそのうち作詞賞、作曲賞、NHK賞を与えられた。とはいえ今回の音楽祭の目玉であった文部大臣賞とわたぼうし大賞の発表はショーを盛り上げるために最後の最後という演出だった。
それからまず文部大臣賞の発表があった。そしてそれからライトが全出場者を次々に照らしてゆき、そして司会者は手渡された優勝曲を書いたコピー用紙を見て勿体をつけておもむろに一呼吸おいてから、「第15回わたぼうし大賞は「『わかりあえる日まで』!」と上に向かって張った声で大きく宣言した。生駒少年少女合唱団のメンバーたちがその瞬間はじけたように跳び上がって喜んで抱き合って泣き出した。わたしはうれしいのだけどそれをどう反応してどう表現したらいいのかわからずただオーライオーライとくりかえしていた。
fumio


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