monologue
夜明けに向けて
 




   ***

 月の娘は、皿を割った
 木星王は嘆いた
 赤い目をした大地の子供は笑った

 夢魔は去った
 だが夢も去った

 鎖で繋がれた巨人は
 大地の重みに堪えかねて
 自らの踵を噛んだ
 
  灰色の陰は大鷲の老いを示す
  飛び石の向こうには、
  約束された緑の大地は無い
 
  私は言葉を切り揃えはしない。
  私は音を大事にする。
  私は木の葉擦れの間で息をしよう。

「SOUNDとこの部屋の仲間へ」より



「私は言葉を切り揃えはしない。」は、体裁を整えるために言葉を切ったり揃えたりしないということで「私は音を大事にする。」はたびたび述べてきたように音が精神を示す縦の日であることを考えると「きれいに整えられた言葉の姿形より内にこめられた精神を大事にする」ということのようである。

  「私は木の葉擦れの間で息をしよう。」の「木の葉擦れの間」はこの外れの門の中の日のようだ。今の「間」の字には日があるが「間」の本字の「門」の中身は月なのである。大事にしているという音は闇の中にこそあるのだ。息は「自らの心」。
日と月と音はともに宇宙神霊の自らの心として門の中に存在しているのである。
fumio


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