monologue
夜明けに向けて
 





 *赤い月の形としての物語*
      〔プロローグ〕
     銀色の舟の娘は、葦の夢の中に分け入る。
      ゴーマは、星の形を散りばめた布の国から。
      暗い日々の夜明けは、黒い羊の葬られた所へ。
        「見よ」と声がする。
      叫びは鳥の鳴き声と共に、夜明けの町にこだまする。
      人は赤い月の表面に、メイオウの影を読み取る。
     その時、隠されていた嘆きは壺の中から出てくる。


 さて、ではこのプロローグからみてゆこう。

  「銀色の舟の娘は、葦の夢の中に分け入る。」
一行目からほとんど意味不明である。細かく分けて考えよう。

 「銀色の舟の娘は」
銀色は普通一般には、月を修飾する色であり、金色は太陽を形容する。
そうすると、銀色の舟は月が舟のような形をした三日月のことらしい。
「銀色の舟の娘は」を音から書き換えると銀色の舟呑む皇は、となる。
「三日月を呑む皇」、とは月讀としての大物主(ニギハヤヒ)である。

「葦の夢の中に分け入る」

パスカル(Blaise Pascal 1623~1662 フランスの学者)は著書「パンセ」の中で
「人間は自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」といっている。どうもそのことをふまえているようだ。すると第一行目は「大物主(ニギハヤヒ)は人間の夢の中に分け入る」という結論になる。
fumio

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