戦国武将、武田信玄が軍旗に掲げた「疾きこと風の如く。しずかなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く」は風林火山の名文句だが、名将、武田信玄さんには悪いけれど、最後の「動かざること山の如く」だけは違うのではと思います。
長年山歩きをやっているけれど、山は絶えず動いていると言うか変わり続けているというのが実感です。奥多摩の登山地図が古くなったので、先日おニューの奥多摩地図を購入した。そして新旧それぞれの地図を見比べてみた。
新旧の地図には14年の開きがあるけれど、古い地図に載っていた幾つかの登山道が、新しい地図では消失していた。一つは日原から大ダワ林道を経て雲取山へ向かう道、もう一つは日原から小川谷林道を経て酉谷峠へ向かう道、いずれも過去に幾度か歩いた馴染みのある登山道です。
2011年製の奥多摩登山地図
2025年製の奥多摩登山地図
これを見ても分かるとおり、水害や火山活動など諸々の原因で山は一瞬にして形を変え、以前とは異なる山になってしまうのです。北海道のニペソツ山やウペペサンケ山、群馬県の皇海山なども、水害でメインの登山道が流失し、難易度が著しく上がっているし、長野県の草津白根山や岩手山は火山活動で、山頂への立入が禁止されてしまった。
天候悪化などで登山を諦める口実に、「山は逃げないから・・」などと登山者はよく言いますが、実際のところ山はドンドン変わっていきます。あと高齢の登山者は釣べ落としのように脚力が衰えていきます。山好きの皆さん、好機を逃さず山は登れるうちにドンドン登っておきましょう。