80ばあちゃんの戯言

聞いてほしくて

おしゃれ心(4)

2012-03-19 08:43:42 | 思い出
最近では祝祭日の日は学校が休みに

なるようだが、私が小学生の頃には

式典があって、その後帰宅した。

元旦〈1月1日)紀元節〈2月11日)

天長節〈4月29日)神嘗祭〈10月17日)

明治節〈11月3日)新嘗祭〈11月23日)

で、それと横浜では開港記念日という

のがあった。

それぞれ学校で式典があり、その日の

式典の歌を歌う。

ちなみに元旦の歌は

♪ 年のはじめのためしとて、

  終わりなき世のめでたさを

  松竹立てて門ごとに 祝う

  今日こそめでたけれ。♪




ちょっと余裕のある家の子供たちは新しい洋服を

着せられて式典に参加することが多かった。

小学校へ入学して一番初めの式典が4月29日の

天長節で、母は娘の始めての晴れ姿に花を添え

ようと考えてか、布地は何だったか思い出せ

ないが、真っ白なワンピースのドレスを作って

くれて、スカートにはお人形さんのドレスの

ような何段ものひらひらがついていて、赤い

8センチ幅ぐらいの太めのリボンをウエストに

つけ背中で蝶結びにしてくれた。

私は嬉しいやら、恥ずかしいやらで学校へ

出かけていったが、学校へ着くと大勢の子供

たちに囲まれて大騒ぎになった。

当時はテレビもない時代で、横浜といっても

屏風ヶ浦の田舎では、そんな服の子は

いなかったので、高等科の女生徒から一年生

までお人形さんのようだと皆に取り囲まれて

大騒ぎになった。

〈断っておくが、別に私がお人形さんの

 ようであったというわけではない。

 衣装がである。笑い)

帰りには同じ町内の子供たちが学校から家迄、

杉田から中原を通りぞろぞろと屏風ヶ浦まで

行列をして着いてきた。



それから、毎日みんなが家に遊びに来るよう

になって、玄関の隣にある二畳の部屋にある

本棚の前に陣取ったり、本棚の本を庭に持ち

出して、ハンモックに乗って読んでいる子が

いるかと思えば、庭の南にある桐の木と、北に

ある物干しの柱を基地として会戦ごっこをした

りして楽しいひと時を過ごしたものである。

日中戦争前の話で、なんとも古きよき時代で

あった。〈笑い)

地球イチバンの教育(6)

2012-03-18 11:32:50 | 教育
NHKテレビ、E テレ”地球イチバンの

教育”よりの抜粋

ユニセフ調べでは、日本の子供は3人に一人

が自分は孤独だと感じているそうだが、しかし

同じユニセフの調べではオランダの子供は

地球でイチバン幸せと感じているそうで、

その理由は学校が楽しいという事と、家族と

一緒に過す時間が多いということだそうである。


オランダでは、毎朝交代で、親が学校へ行って

子供たちに読み書き算数を二時間教えてから

仕事に出かけていくとか、これは親御さんに

とっても、いろいろ理解が違うお子さん

を見ていると、家で自分の子供を教えるの

にも役立つという。

オランダでは正社員であっても、週休三日とか、

四日とか選べるそうで、経済的な面と精神的な

豊かさとどちらを選ぶかご夫婦でよく話し合って

決めることができるという話で、パトリシアさん

は二番目の娘さんが生まれたのをきっかけに

ご夫婦二人で話し合って、それまでは平日フル

タイムで働いていたのだが、銀行員の夫

は週休3日、セラピストの妻は週休4日として、

こどもさんとのふれあいの方を大事にされたと

言う。

オランダでは子供さんの学校への送り迎え

は親御さんの役目なので、ご夫婦交代で送り迎え

をされ、学校へ送っていったら、教室へ入って

いって、子供さんの日常の態度などを聞いたり

するという。

オランダの教育は学校も授業も子供が自分で

選び、そして、将来の仕事を考えさせ、そのため

に必要な勉強を自分から進んでさせ、更に親も

子供にとことん付き合う、それが地球イチバン

優しい教育で、子供がのびのびしている。

ジャガーさんによると、公園に大維志君を連れて

行ったら、同じくらいの子供さんが一人いて、

大維志君がどうするか見ていたら、

”遊ぼうよ”と声をかけていて、成長を感じたと。


最終日、校長先生が大維志君の

学校での様子を書いたカルテを渡された。

 大維志君は細かい作業が得意なようです。

教室で決められたことはちゃんと守ることができ

ました。



 校長先生のお話

教育は教えるだけではなく、子供一人一人の

育つ力、学ぶ課程をサポートする、ガイドの

役目があるのです。一方的にではなく、子供

と一緒に、それが教育なのです。


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地球イチバンの教育(5)

2012-03-17 16:34:49 | 教育
NHKテレビEテレ”地球イチバンの教育

よりの抜粋


オランダでも、一斉に誰でも受けなければ

いけない授業があるそうです。

それは”いじめ”に対する授業です。

実際に子供さんたちに模擬の喧嘩をさせて

それに対応する中に割って入る役目も決め

傍観者はどういう意味があるか、いじめを

する人と同じ加害者であると教えるのです。

先生が、アフガニスタンからの移民の少女

ロシータさんがオランダ語があまり上手で

ないのでいじめを受けていたことを知り、

小さい子に本を読み聞かせる仕事を頼みま

した。

それでロシータさんは、だんだんオランダ語

も上手になり、自信がもてるようになって

いじめもなくなったということです。

オランダ大使館員バスさんは、

 ”小さな時からオランダでは自分がやった

 事は自分で責任を取らなければいけないと

 教えている。先ず、自分でやってご覧と口

 癖のように親は言い、それでできなければ

 親がやって見せる。責任は自分で取らせる。”

 と。


 オランダではなんのために勉強するのか、

 小さい時から大事にしていることがある。

 それは、将来どんな仕事をしたいかと言う

 事で、小学校の高学年のうちから決める

 よう学校でも先生が質問されたりして

 そのためにはどんな勉強が必要かを考え

 させ、自分から進んで勉強するように仕

 向けるそうで、ご家庭では5歳ぐらいから

 親御さんが質問されたりすることもある

 とか。

 オランダでは小学校の12歳で将来を決め

 進学先を選ぶ、中学、高等学校はない。

1)手に職をつけるコース〈パン屋、農業

  など)

 職業準備コースから、職業訓練校へ

2)資格をとるためのコース 〈パイロット

  先生など)

 高専準備コースから高等専門学校へ

3)大学進学コー 政治家、医者
 
  大学準備コース、大学へ

 途中進路変更もできる。

 

例えば、職業訓練コースでは、町の有名

レストランもコックさんからウエイトレス

まで全部学校の授業で生徒がやっている。

DJになりたいというオレ君、自分で作曲

もしています。

 ご両親も何度か将来の職業についての話

し合いを持たれ、そのためには何を勉強し

なければいけないかを考えさせ、多少幅を

持たせるように、万が一それができない時

にはどうするかということまで、考えた末、

応援していく。

 (つづく)

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地球イチバンの教育(4)

2012-03-16 20:39:06 | 教育
NHK テレビ E テレ 

”地球イチバンの教育”よりの抜粋


オランダ大使館文化教育担当のバス・ヴァルクス

さんのお話。

 ”なるべく自分で決めて自立心のある子供を

  育てようとするのがオランダの教育の基本

  です。

  1968年に、それまでの画一教育から

  個別教育に変わりました。

 その頃オランダでは3人に一人の子が落ちこぼ

 れになっていて、オランダでは落ちこぼれた子

 は卒業を認めないので、大きな社会問題になっ

 ていたのです。

 そこで、政府の依頼を受けて、教育学者
 
 ドールンボスさんが調査をし、

 ”教育システムに問題がある。落ちこぼれは

 子供が悪いのではなく、一斉教育にある。

 それぞれ違う子供に同じ内容を教えるのでは

 なく本来は一人一人に合わせた教育システム

 が必要で一斉授業をやめて、オーダーメイド

 に変えるべきであると、教育改革を唱えたの

 だが、どの先生もそういう教育をしたことが

 ないので、戸惑っておられたが、その中で

 それに挑戦する先生方が現れた、ウィム・

 ウエスターマンさんはそのお一人である。

 先生は当時、悩んでおられたのは、算数の授業

 でクラスの中で割り算ができないお子さんが、

 かなりあった。 

 このままでは落ちこぼれを出してしまう、何とか

 しなくてはならないと考えられ、そこで先生は

 教科書を捨て、子供さんたちを外に連れ出し、

 船を見せた。

 港町だけあって、子供たちの多くはは船に憧れを

 持っていたので、先生は船と算数を結びつけること
 
 を思いつかれた。

 例えば、船のペンキを塗り替えるには、塗る面積が

 10平方メートルあるとして、一缶で2平方メートル

 塗れるとしたらペンキを何缶で塗ることができるか

 と言うと、子供たちの目の色が変わり学ぶ気持ちに

 火がつき船乗りになるためには勉強しなければと

 いう。

 勉強の意味を見つけ勉強し始めたそうである。

 先生は教育とは知識を詰め込むということではなく、

 大事なのは動機なので、動機さえはっきり持てば

 自分で”勉強する意味”を見つけ、学び始めるのだ

 と気づいたのですと。



 マリナさんが、オーダーメイド教育は甘やかすこと

 になりはしないかと質問されたが、大使館員のバス

 さんは、かえってちょっと生意気になるが、甘やか

 すことはないと言われたら、

 ジャガーさんは

 ”うちの子は甘やかされているけど、生意気ですよ”

 と。

  ジャガーさんは又、

 ”学校の数が多いから、パソコンで調べて学校を選

 んでいる。” と、言われたが、

 大使館員のバスさん曰く

 ”学校としてしっかりしないといけない。ちゃんと

 していれば、生徒が集まり、学校が繁盛する。

 学校がなくなったり、新しい学校ができたりしている。

 校長先生は経営者なのです。会社と 同じです。”

  (つづく)

メイド イン アメリカ

2012-03-14 05:29:03 | 経済問題
 今朝の早朝、日本テレビのニュースで知った話。

いつものようにトイレに起きて、テレビをつけた

が、忘れないうちに書きたい話であった。

 アメリカの家具工業の会社が10年ほど前、

中国の人件費が時給30セントから50セントだった

ので、中国に生産拠点を移したが、だんだん高くなり

今では時給が3ドル50セントにまで上がったそうで、

これなら国へ帰って生産しようと思い直して、戻った

ところ、全米の人々から雇用が拡大すると感謝の手紙

が続いているという。

オバマアメリカ大統領からも早速お呼び出しがあり、

コクレン社長の話を聞かれたそうで、市長もすぐ

お会いになったと聞いたが、何分途中から聞いた話で、

何州の話かも聞いていないのだが・・・・・。≪笑い≫




 わが国にもいろいろな会社が戻ってきて欲しいと

願いながら書いている。

地球イチバンの教育(3)

2012-03-13 18:30:04 | 教育
NHKテレビ

Eテレ "地球イチバンの教育”よりの抜粋

学校も選べる、授業も選べる、小さいうちに自分で選ぶこと

を大切にしたオーダーメイドの教育の和蘭で、大維志訓が

選んだのは、"積み木”であった。先生はつきっきりでなく

遠くから大維志君を見ておられて、大維志君が10分後に

他のことをやりたくなった時に、静かに近づいてこられて、

”タイシ、別の事を選ぶのはOKよ。でも、ちょっと待って。

まづ全部の積み木を片付けなくちゃ。”と言われた。



 自分で選ぶ、ただし、選んだら、自分で責任を取るという

のが基本で、先生はお教室の隅で、子供たちの様子を記録

しておられた。それは先生が変わられても何時でもどの先生

もが子供さんの成績、好み、苦手を把握できるようにという

ことのためだそうであった。



更に教室は全部ガラス張りで開けっ放し、校長室にも自由に

出入りでき、校長先生も子供達のちょっとした変化にも

気をつけておられた。



8年生(12歳)の子供たちもそれぞれのペースで勉強して

いて、遅れぎみのお子さんには、先生が腰をすえて教え、

全員が同じ授業を受けるのではなく 一人一人に合わせた

教育で落ちこぼれを作らない方針で、子ども自身が留年を

選ぶ場合もあるそうで、5年生(9歳)のジャスミーナさん

は留年を自分で選ばれたが、クラスメートはみんな1才下

だが、誰も気にもせず、楽しいし勉強もみんなで助け合って

できるし留年してよかったということであった。



 ジャガーさんが子供たちに

 "日本の学校では宿題が一杯出るし学校から帰って宿題を

 やったり塾に通うが、どう思いますか?”と質問したのに

 対し、

 "子供には楽しい時間が絶対に必要で、勉強ばかりして、

 リラックスする時間がないのは、よくない。”

 "誰が誰より点数が高いということを気にしなければいけ

 ないのはおかしい。僕達はそれぞれ違った才能を持っている。

 そんなこと、みんな知っているよ。”という答えであった。



大維志君が手洗いで困っている時に助けてくれたお子さんも

あった。

オーダーメイド教育は自立をは育む教育であるという。

ジャガーさんは

”皆いい子で、親達に責任がある。 私の責任だ。”と。


”小さい頃から遊ぶこともそうだが、自分で考える癖が

ついている、”と、教育評論化の方がおっしゃっていた。

(つづく)


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コンクール開催の夢

2012-03-11 13:14:15 | 天変地異
東日本大震災から一年がたちました。

ご家族やご友人を亡くされた方はどんなに

お辛いことでしょうね。 改めて心から

お悔やみ申し上げます。

お怪我の方々はすっかり治られたので

しょうか? 本当に毎日のニュースを見て

いる私たちでさえ、大変な辛いことですのに、

被災された方々はどんな思いでお過ごしかと

思っております。

福島の方々は原発のためによりいっそう

ご苦労をされていると思って心を痛めて

りますが、放射能を取り除く技術をいろいろ

ご研究の方々もおありのようで、せっかくの

技術を一刻も早く使って欲しいと願っている

ところです。

又、復興を急ぐあまり、目先のことにとらわれ

ないで、新しい、理想的な都市づくりをして

いただくために、全国の大学の先生方や学生さん

外の方々に新しい都市造りの構想を練っていただ

きたいので、もし、宝くじで5億円当たったら、

”被災地都市計画コンクール”をやりたいのです

が、何とか当たらないものでしょうか?

神様お願い!!!!!

地球イチバンの教育(2)

2012-03-10 12:23:52 | 学校
NHKテレビ Eテレ 

"地球イチバンの教育”よりの抜粋 

タレントのジャガー横田さんが5歳の大維志

君を連れて和蘭へ行って、体験入学をさせた

話で、和蘭は以前は日本のような教育制度

だったが、今から40年ほど前に、落ちこぼれ

が多くなったことから、教育改革を断行した

そうである。

 ”オーダーメイドの教育”ということで、

子供さんが何事も自分で考えて、自分で結論

を出すように教育しているそうで、まづ驚いた

のはアムステルダムには、小学校はたくさん

あって、ジャガーさんの行かれたところには

4校が隣り合わせのように建てられていた。

1)教科書のない学校 (歌って踊って勉強する)

2)自由に勉強を選べる

3〉キリスト教をとことん勉強する。

4)落ちこぼれを作らないよう一人一人を丁寧に

見る。

という風にいろいろあって、中には有名レスト

ランの学校があって、小さな子供さんが生き生き

とお料理を作ったり運んだりしていた。

ジャガーさんが選ばれたのは、4番のフラミンゴ

小学校であった。

(つづく)

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地球イチバンの教育(1)

2012-03-09 07:14:49 | 教育
世の中で何がイチバン大切かというと、それは"愛”

ではないかと私は思っている。

親子の間の愛、恋人やご夫婦の間の愛情、友達との

愛情、そして自然界のすべてのものや生き物に対す

る愛、それが壊れかけた地球への一番大切なもので

はないかと思う。

 ところが、日本の中では、親子の情を育むどころ

か、社会は家族の中の愛を育める状況を許すどころか

うっかりすれば命の危険も感じるような長時間の働き

方を要求している。

そして、金銭的な豊かさばかりを求めて、夫婦共働きを

望み、いくらでもないその収入の差額を望んだが故に

大事な次世代を担うはずの子供の教育は疎かになり、

或いは、こんな環境では子供は産めないといって、自分

たちの将来の看護は他人様が生んで苦労して育ててきた

子供さんらに託そうという、誠に勝手な話が世の中に

蔓延して、人口の減少の歯止めがかからない。

共働きをさせるために保育所の建設が必要不可欠である

と解く学者もいる。

学校も塾も、競争、競争で、友達同士の中でも競争意識

ばかりが強くなり、お互いのすばらしさを認め合う

習慣がなくなってきている。 

そんな中で真の友情なんて育くめるのだろうか?

これはどう考えても、真逆の方向に行っているのでは

ないかと何時も危惧を感じていたのである。

俺達は貧乏の中に生まれて貧乏で死ぬんだということを

公言している学者もいるが、私たちはもっともっと

貧乏な時代に生まれて、一生懸命働いて、これまでにして

きたのだから、今の物の豊かさばかりを求めて、自分の

わがままとしか思えない理由をつけて、子供には悪いと

思いながらとか何とか言いつつも離婚して、こどもの

父親か母親をかってになくしてしまう世代にあきれている。

私など別に自慢できる話ではないが、結婚以来、何時も

次々と夫の家族の面倒を文句も言わず見てきて、生活は

本当に辛いことが多かったし、夫は一生懸命働いてはくれ

たが、浮気ばかりの人生だった。


それでも、私が選んだ夫であるから、子供の父親をなく

す権利は私にはないと思って、夫を立て、夫の暮らし

やすいようにと心を砕いてきたのである。

だからこそ、夫の葬式で、妹が、夫の兄弟達が、お姉さん

を大事にしてくれていると感じたといって喜んでくれたの

だが、まあ、話はツイ、それてしまったが、とにかく、有史

以来、そんなに理想的な甘い生活があったわけではない

ことをちゃんと心に留めて、これからの生活を考えなおして

いく外はないと思う。

(以下NHK テレビ E テレ よりの抜粋)

ところが世界の中には、40年前にすでにこのことの

危うさを感じ、教育を根本から見直してきた国がある。

そして、9割の子供たちが、学校を楽しいと言い、塾も

宿題もないのに、世界トップクラスの学力を保持して

いる理想的な教育制度を確立された国があるという。

(つづく)


子供の頃の思い出(2)

2012-03-08 12:08:23 | 思い出
1935年、数えの5歳の半ば頃、前里町から、

屏風ヶ浦に引っ越すことになったが、海岸沿い

を走る市電通りの屏風ヶ浦の停留所から山側の

京浜急行の(当時は湘南電車と呼んでいた)

屏風ヶ浦駅に向かう大通りがあって、その

道に沿って、幅1間ぐらいの小川が流れていた。

その通りに面する場所には大きな家が多かった

が、私の家は,その裏側にあって、その東側に

は、Tさんという由緒ある豪族のお宅があって、

その周りを回るよう

な形でしか家に行く道はなかったのである。

その豪邸の二三軒手前の魚屋さんと八百屋さん

の間の小道を通っていくのだが、魚屋さんの横

を過ぎると、半分が小川で、半分が砂利道に

なっていて、対岸の家に行くにはそれぞれの

お宅の前に幅一間ぐらいの木製の橋ができてい

たが、その小川の水は魚屋さんの家の前で海の

方へ向っていき、海へ注いでいくようになって

いて、比較的水は綺麗だったが、台風の際には

よく氾濫した。

橋を3つほど見た後、右の階段を三段ほど上が

ると正面に、当時でも珍しかった乳鋲のいくつ

もついた立派なご門があって、それに続いて

ご門番の小さな詰め所があり、背の高い垣根が

めぐらされている豪邸があった。

その前を右に曲がるともう一軒お宅が左手にあ

り更に、一番奥に見える家が私の家であった。

 何時もその前を通る時には、そんなご立派な

お宅の中が見たいものだと思っていたが、太い

木々が視界の邪魔になって中の様子は全く見え

なかった。

でも、私たちが隣人になった頃は、多分、大分

没落しかけておられたらしく、ご隠居さんと

呼ばれていたおばあちゃまを何度もお見かけし

たが、ごく普通の装いで、特に眼を見張るよう

なお姿ではなかった。

 噂ではご当主が亡くなられてから、没落の

一途を辿られて売りに出されていたようだった

が、何せお広いので、中々買い手がつかないと

いうようなお話だった。



 その頃、1931年に生まれた弟と 1933年生ま

れの妹がいたが、何故か弟は何時もぴいぴい泣く事が

多かったので、或る日、父が、

"お前は何時も泣いてばかり、本当に泣き虫だと

 Tさんのお宅の方々に思われていると思うから、

 一度、お隣のあの大きな木の方に向かって大声で

 笑って来い。”

 と言ったのである。

 弟は真剣な顔をして、ちょこちょこと歩いていき、

 大きな樫の木に向って

 ”ワハハ ワハハ”と、何度も繰り返していた。

 (笑い)


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