北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「出羽三山~山岳信仰の歴史を歩く(岩鼻通明著・岩波新書2017刊)」を読んだ。岩鼻通明(いわはなみちあき1953生れ)氏は、1976京大(文学部/史学科)卒/1981同大学院(地理学)修士課程修了/2003博士(文学)。2006山形大学(農学部)教授/2019同名誉教授。専攻は文化地理学/宗教民俗学。--------
この本「出羽三山」の目次は次の通り。“はじめに(山岳信仰とは何か)”、“出羽三山の歩み(蝦夷との境界に祀られた神/遍歴民としての修験者)”、“出羽三山参りと八方七口(各地に残る出羽三山碑/里山伏の世界/松尾芭蕉の三山参り)”、“羽黒修験四季の峰(春の峰/夏の峰/秋の峰/冬の峰)”、“出羽三山を歩く/絵図を手掛かりに(山頂の三神合祭殿/ブロッケン現象と来迎)”、“湯殿山と即身仏/世行人の足跡を訪ねて(神仏分離と即身仏/千日回峰行と湯殿山千日山籠)”、“山岳信仰と食文化(修験者の食文化/森の恵みと食文化)”、“おわりに(これからの出羽三山)”---------
この本「出羽三山」の内容紹介文は次の通り。近畿の大峰山/九州の英彦山(ひこさん)と並ぶ修験道の聖地/羽黒山。“雲の峰幾つ崩れて月の山”と芭蕉が詠んだ主峰/月山。古来より“語るなかれ/聞くなかれ”と伝えられる/湯殿山。信仰の山としての長い歩みと/今も各地に息衝く多様な宗教民俗/そして名所/旧跡を解説。人々を惹きつけてやまない“お山”の歴史と文化を案内する。---------
岩鼻通明氏は、何の因果か“出羽三山”の学術研究に一生を捧げられた。京大の史学科出身であれば/全国何処のアカデミックポストでも意のままであったろうに/其れとも山形の水が身体にフィットしたのだろうか。余人には図り難いのが人生だと思った。