アメリカで85歳の今も現役の最高裁判事として活躍するルース・ベイダー・キンズバーグが
弁護士として史上初の男女平等裁判に挑んだ姿を描いた映画。
貧しいユダヤ人家庭に生まれ育ったルース(フェリシティ・ジョーンズ)は、
努力の末にハーバード法科大学院に入学するが、1956年当時500人の生徒のうち女性は9人。
女子トイレもなく、教授陣も、女子学生は入れただけでもありがたいと思って
大人しく引っ込んでいろと言わんばかり。
首席でそこを卒業するも、女だからという理由で、どの法律事務所も雇ってくれない。
やむなく大学で法学を教える道を選ぶが、100%負けると言われた男女差別裁判の
弁護を引き受けることになる。
ほんの半世紀前のアメリカで、女性はクレジットカードを作ることもできなかったとは。
今の時代があるのは、ルースのような先達が頑張ってくれたからなのでしょう。
当時の男女差別の厚い壁に今更ながら目を見張り、それを少しづつ打ち崩してくれた
彼女らの努力に頭が下がるのみなのですが
惜しむらくは、ルースがどのように頑張ったのか、具体的な所がまるで描かれていないこと。
ロースクールに入った時、新婚のルースは赤ん坊を抱え、そして同じくロースクールの
学生だった夫マーティは、生存率5%と言われた癌に倒れるのです。
乳飲み子の育児と重篤な病人の看病と、そしてロースクールの熾烈な勉強とを
一体全体ルースはどうやってやり遂げたのか?
学費は奨学金でまかなったとしても、生活費や高額な医療費を、
若い二人はどうやって捻出したのか?
そうした些末なことが、凡庸な私には気になって仕方なかったのですが…
しかし、それを差し引いても良い映画だと思います。
ラストの法廷で、その頃の一般的な考え方であった
「10万年以上も続けてきた人類が生活する形(男は仕事に出かけ、女は子を産み家を守る)の
何処が悪いのか?」という、判事や大学教授の意見を
ルースが鮮やかな弁論で論破するシーンは、胸がスッキリします。
世の中には、本当に凄い人がいるものです。
雲の上の人としか思えないルースと、たった一つ共通点を見つけて
嬉しくなったことがあります。
それは、映画の中の彼女のファッションセンス。
上品で女性らしくて配色が綺麗なコーディネート。
このワンピースなんて、私が持ってるのとそっくり!
と思って資料を見てみたらこの映画、ファッションブランドのダイアン・フォン・ファステンバーグと
パートナーシップを組んだのだそうです。
まさに私が好きなブランドでありました。
雲上人である彼女の、ファッションだけをほんの少々真似しても、きっと文句は言われないでしょう。
原題「On the Basis of Sex」。
ビリーブ 未来への大逆転 https://gaga.ne.jp/believe/
育児と看病ともう勉強と生活を全てパーフェクトにこなしてしまうなんて、やっぱりその辺のところサラッと流しているのには引っかかるものがありますよね。
それは女性だからこそ気になるのかもしれません。
確かに実の甥っ子が脚本というので納得しました。
何もかもパーフェクトすぎて雲の上の人ですけど、一人の女性としてしっかり共感できたのは、やっぱり彼女のキュートなファッションセンスが大きかったですよね♪
これは直後に書く機会を逃して
ズルズルと今まで延びてしまいました。
そしたら、”ルースが鮮やかな弁論で論破するシーン”で
彼女が具体的にどうやって論破したのか、肝心なことを覚えていないという…(><)
本当にパーフェクトすぎる女性でしたが
ファッションはキュートでした~!