Zooey's Diary

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「ありふれた教室」

2024年05月31日 | 映画

ドイツの中学校で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと進み、校内の秩序が崩壊していく様を、ひとりの新任教師の目を通して描いたヒューマンドラマ。
仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持つが、校内で盗難事件が相次ぐようになる。教え子の一人が疑われたことに反発したカーラは犯人捜しをしようと職員室の様子を撮影すると、ある人物が盗みを働く瞬間が収められていた。しかしその人物は逆切れし、やがて保護者の批判や生徒の反発、同僚教師との対立を招き、カーラは孤立無援の窮地に追い込まれる。



なんとも息苦しい映画です。
生徒思いのカーラが頑張れば頑張る程、彼女の行動すべてが空回りしてしまう。
何かというと「人権」「差別」という言葉が飛び出し、身動きできなくなる。
カーラが隠し撮りをしたことは確かにいけなかったかもしれないが、あれだけの証拠を突き付けられた事務員クーンが人権侵害と逆切れし、彼女を悪者と学校中に吹聴するのはいかがなものか。クーンの母親思いの息子がカーラの教え子とあってカーラを糾弾し、カーラはがんじがらめとなる。
真実はどうだったかということは、もはやどうでもよくなるのです。



登場人物がすべて疑心暗鬼、かつて学校物の映画に描かれたような温かい師弟愛や信頼関係は、何処にもない。
教育現場に不信感と性悪説しかないというのは、なんと恐ろしいことか。
これは遠い世界の話であると思いたいものの、モンスターペアレンツからのクレームが酷いという日本の学校も、あながち無縁の世界ではないのかもしれません。
監督はトルコ系ドイツ人のイルケル・チャタク、原題は「Das Lehrerzimmer」。

「ありふれた教室」公式HP 


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