Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

冷たい視線

2021年11月12日 | 社会

近所の小さな着付け教室に、コロナで中断されながら1年ほど通いました。
先生は丁寧に教えて下さいましたが、その教室は実は京都の帯会社を母体としており、何度も着物と帯の販売会に連れて行かれたのでした。
執拗なセールスにうんざりしてこの春、お世話になりましたと辞めたのですが…

着付け教室に行かなくなったら、まったく着物を着なくなってしまった。
折しもこの夏はコロナの最盛期、オペラもパーティもなくなってしまい、本当に着る機会がない。
折角習ったのにこれじゃあ忘れちゃうね、何処か教室に行きたいよねと、前の着付け教室で親しくなった人と話していたのですが、電車で一駅二駅行けばあるけれど、重いカバンを引きずって電車に乗りたくない(駐車場がないので車も無理)。
徒歩圏では他にないのかと探していたら…

大手の日本〇装がこの秋、我が街に開校したのです。
あの松田聖子が今、大々的にテレビで宣伝している有名な着付け教室。
ここはHPに
”きものは「敷居が高い」「難しい」、そうした思い込みを払拭し、できるだけ多くの方に気軽に、身近に、きものを感じていただくために、一貫して受講料無料で着付け教室を行ってきました。
受講料無料で教室を運営できるのは、着付け教室のカリキュラムで実施されるTPO講座&販売会の際に、加盟店(生産者)から販売仲介手数料をいただいているから”
と明記しているのです。
ネットで口コミを見ると、断り切れずに何十万円の着物を買わされたという主婦やOLの恨み節が満載。
そんな所に行ったらどうなるのか!?

幸い担当の先生は、明るくて優しい感じの方でした。
最初のガイダンスの時に、私はタンスに眠ったままの自分の着物に陽の目を浴びせたくて、着付けを習いたいと思いました。
新しい着物は中々買えないと思いますが、それでもよろしいでしょうか?とお聞きし、勿論それでいいですよ、という答えを頂きました。
気休めに過ぎないと分かってはいるのですが。
そして何度かのレッスンの後、昨日、その販売会に連れて行かれたのでした。
カリキュラムに組み込まれているので、拒否はできないのです。

横浜駅に近い高層ビルの一室で朝10時から午後3時まで、千円お支払いしてのお弁当付き。
集まった生徒は友人と私、近隣の他の教室から4人、全部で6人。
午前中は京都の帯の会社の人が、帯の織り方、帯の格の違いなどをみっちり説明してくれました。
お昼の後、説明会場には人数分の鏡が並べられ、着物の試着室に様変わり。
沢山の反物、帯の中から好きなものを選んでくれと言われ、適当に選ぶと、一人に2~3人のスタッフがついて、それを器用に着せ付けてくれる。
着物、帯、帯締め、帯揚げ、それに合うコートまで着せ付け、計算機を取り出し、全部で138万円です。
なんてお似合いなんでしょう、これだけの上質な物をこんな金額なんて普通ではあり得ないんですよ、流通を通さないウチだからできるんです。
どんなローンでも組めます、仕立て代も消費税も入っているから安心してくださいねと。

すみません、私は買う気ないですとキッパリ申し上げると、周りの温度がさーっと下がったような感じ。
冷たい視線の中、友人と私はなんとか逃げ出しましたが、他の生徒さんたち、5年ローンだと月々の支払いは○○円で…と具体的な相談をしていたようでした。
2~3人のスタッフに囲まれて、高いテンションで誘導されて、あれでは気の弱い人には中々拒否できないだろうなあ。
私も今回は買わずにすみましたが、しかし着付けを習う限り、販売会はこの先にまだあるのです。
本当はちゃんとレッスン料をお支払いして、販売会のない着付け教室に通いたい。
でも私の周りではそんな所、聞いたことがないのです。


コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする