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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

文楽「仮名手本忠臣蔵」

2021-12-09 11:10:33 | 文楽
12月8日(水)の夜に国立小劇場で文楽の「忠臣蔵」を見る。通し公演ではなく、前半の切腹場を中心としたダイジェスト版。12月の文楽は大御所は出演せずに、中堅と若手中心の公演だから、あまり期待はしないのだが、やはり12月には「忠臣蔵」を見たいので、14日の討ち入りの日を前に雨の中を出かけた。

大序はなく、2段目の「松切場」から始まり、3段目の「進物場」「刃傷場」、そして4段目の「切腹場」「城明け渡し」となる。ここで終わるとしんみりするので、最後に8段目の「道行旅路の嫁入り」がついた。

やはり大序がないのは寂しいが、5時から始まって20分と10分の休憩をはさみ8時5分に終わるという、正味2時間半の公演だから、各場面も大幅に短く刈り込んであり、なんだかあわただしいだけで、芝居を観たという感じがしない。

ほかの所用があったので、「松切場」と「進物場」は見れずに、「刃傷場」から見たが、メインは織太夫の語る「切腹場」だから、問題はなかった。織大夫は燕三の三味線に乗せて、丁寧に語ったので、この場面は聞きごたえも見ごたえもあって楽しめた。

「城明け渡し」は随分と短くなっていて、硯大夫が御簾の中で語ったが、ほんの一言二言で終わってしまうという、短縮版。

最後の「道行」は小浪が呂勢大夫、戸名瀬が咲寿大夫、ツレが3人で、三味線も5丁。呂勢大夫がかろうじて合格点だが、ほかの大夫は修行中といった語り。人形も心もとなく、唯一光ったのは清志郎の三味線だけだった。

それでも年末に「こうもり」や「第九」だけでなく「忠臣蔵」を何とか見ることができた。早く上演時間をもとに戻して4時間半ぐらいの公演にしないと、きちんとした上演ができないという印象。

帰りがけにスペインバルで軽い食事。生ハム、オムレツ、サラダ、あん肝のアヒージョ、イワシのオーヴン焼などをつまみに、各種ワインを飲んだ。

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