テレビ番組などで、よく「B級グルメ」の特集などという企画があるが、これはなかなか便利な考え方だ。「A級」というのはもしかするとミシュランの三ツ星みたいなレストランで、料理の味だけでなく、サービス、雰囲気、お酒の品揃えまでがしっかりとしていることが問われる。それに対して、「B級」という響きからはいかにも「二流品」みたいな感じだが、美味しくないかと思いきや、そうではないことがある。実は全く洗練されていない内装で、お酒なんかも揃っていないが、味だけはうまいみたいな店というのも確かにある。
かつ丼ならばこの店、ちゃんぽん麺ならばこちらが良い、などと、誰でもお気に入りの店があるのではないだろうか。つまり、「B級グルメ」とは、一芸に秀でていて、店のムードなどはともかく、味はうまいという店だ。デートには不向きかも知れないが、気の置けない友人とならば、二度づけお断りの串カツが良かったりする。
そう考えると、「B級映画」というのも十分に評価される余地はある。台本、演出、撮影、音楽、演技などすべてが揃った「A級作品」に対して、作りは雑だがアイディアが面白いみたいな作品は十分にあり得る。
1950年代ぐらいまでは、映画会社の系列で週替わりの上映をする映画館が多くあり、二本立てだと1本はきちんとした作品だが、もう1本は低予算で作られたB級映画みたいなのがたくさんあった。
最近はそうした興行形態ではなくなったので、そうしたB級作品に出合うことが少なくなったが、ときどき妙に串カツを食べたくなるのと同じに、面白いB級作品を観たくなることがある。
そうした時には、昔作られたハマー・フィルムのドラキュラ映画などを観たりするのだが、この「アイアン・スカイ」を観て、現在でもこういう馬鹿馬鹿しい映画を作れる人がいるとわかりうれしくなってしまった。
話の内容は1945年にナチス・ドイツの残党が月の裏側に移住して秘密基地を作り、満を持して地球に戻るために宇宙船で攻めてくるのを、アメリカが中心となり、各国が協力して防衛する、といういかにも荒唐無稽なコメディだが、その中に、現代の政治に対する風刺と、名作映画のパロディなど、多くの笑いを詰め込んである。
昔は3本立ての映画館などで、名作映画だけでなく、へんてこな作品もやたらと見たのだが、オン・ディマンドの時代となると気に入った映画しか見なくなり、見る幅が広がらない。そこで、週に何本かは恐ろしくくだらなそうな映画を選んでみているが、「アイアン・スカイ」は結構面白かった。まあ、パロディが多いので、元の作品をどれだけ知っているかにもよるかも知れないが、これならば十分に今風カルト映画となり得るのではないだろうか。
毎日、A級の食事ばかりだと飽きるので、たまにはB級グルメも悪くはない。
かつ丼ならばこの店、ちゃんぽん麺ならばこちらが良い、などと、誰でもお気に入りの店があるのではないだろうか。つまり、「B級グルメ」とは、一芸に秀でていて、店のムードなどはともかく、味はうまいという店だ。デートには不向きかも知れないが、気の置けない友人とならば、二度づけお断りの串カツが良かったりする。
そう考えると、「B級映画」というのも十分に評価される余地はある。台本、演出、撮影、音楽、演技などすべてが揃った「A級作品」に対して、作りは雑だがアイディアが面白いみたいな作品は十分にあり得る。
1950年代ぐらいまでは、映画会社の系列で週替わりの上映をする映画館が多くあり、二本立てだと1本はきちんとした作品だが、もう1本は低予算で作られたB級映画みたいなのがたくさんあった。
最近はそうした興行形態ではなくなったので、そうしたB級作品に出合うことが少なくなったが、ときどき妙に串カツを食べたくなるのと同じに、面白いB級作品を観たくなることがある。
そうした時には、昔作られたハマー・フィルムのドラキュラ映画などを観たりするのだが、この「アイアン・スカイ」を観て、現在でもこういう馬鹿馬鹿しい映画を作れる人がいるとわかりうれしくなってしまった。
話の内容は1945年にナチス・ドイツの残党が月の裏側に移住して秘密基地を作り、満を持して地球に戻るために宇宙船で攻めてくるのを、アメリカが中心となり、各国が協力して防衛する、といういかにも荒唐無稽なコメディだが、その中に、現代の政治に対する風刺と、名作映画のパロディなど、多くの笑いを詰め込んである。
昔は3本立ての映画館などで、名作映画だけでなく、へんてこな作品もやたらと見たのだが、オン・ディマンドの時代となると気に入った映画しか見なくなり、見る幅が広がらない。そこで、週に何本かは恐ろしくくだらなそうな映画を選んでみているが、「アイアン・スカイ」は結構面白かった。まあ、パロディが多いので、元の作品をどれだけ知っているかにもよるかも知れないが、これならば十分に今風カルト映画となり得るのではないだろうか。
毎日、A級の食事ばかりだと飽きるので、たまにはB級グルメも悪くはない。