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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

文楽「加賀見山旧錦絵」

2022-02-15 11:23:58 | 文楽
2月14日(月)の昼に国立小劇場で文楽「加賀見山旧錦絵」を見る。午後2時40分開演で、15分間の休憩をはさみ、終演は午後5時20分ごろ。文楽はコロナ陽性者が出たため、5~12日は休演だったので、14日に上演されるか心配していたが、無事に見れてよかった。1部と3部は若干の出演者変更があったようだが、今回見た2部は予定通りのメンバー。1週間休演だったから満席だろうと予測していたら、ちらほらと空席があり、8割程度の入りだった。もしかしたら切符を買ったが来なかった人もいたのかもしれない。

今回の「加賀見山」は、御家騒動と理不尽なお局様の中老へのいじめ、その中老付きの腰元によるお局への復讐劇で、実話を膨らまして脚色した作品。最初の「草履打ち」では人間国宝となった咲太夫と、その弟子織大夫らが語る。三味線は燕三という、豪華な顔ぶれ。聴きごたえがあった。

続く「廊下」では三輪太夫と團七。ここで腰元のお初が登場するが、勘十郎が遣っていたので、ひときわ大きな拍手が起こる。前半は低調な語りだったが、だんだんと良くなって頑張った感じ。

山場の「長局」では、千歳太夫が前半を語り、後を織太夫が語った。千歳太夫の語りは脂がのってきた感じで、見事な出来栄え。思わず引き込まれた。ここは和生と勘十郎が並行して人形を使う場面で、芝居も語りも人形も三味線も、すべて上出来。これぞ文楽の醍醐味という感じ。

最後の奥庭は、付け足しだが、語りは若手で弱いが、三味線の清志郎が気迫で引っ張って盛り上げた。

全編にわたって、「仮名手本忠臣蔵」へのオマージュが溢れていて、そうした作劇法も見物。語りも三味線も人形も、今の文楽では一番のメンバーがそろった名舞台だと思った。

すっかり気分が良くなって、帰りはフグ屋で食事。てっさ、白子焼、ふぐちりなど。飲み物はひれ酒。

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