衛星放送の録画で、野村芳太郎監督の映画「事件」を観る。1978年の松竹映画で、原作は大岡昇平の小説。
19歳の少年が、スナックののママを刺殺した事件の話で、犯人とされた少年は被害者の妹と恋仲で同棲中という背景。事件が起きるまでを描くのではなく、当該事件の裁判劇になっていて、裁判の中で、被害者や被告人たちの背景が徐々に浮き上がってくる。
野村芳太郎の映画なので、重厚というか何か重苦しいムードがあるが、最近の妙に軽い映画よりも面白い。何よりも役者が良い。被告人の少年は永島敏行で、被害者は松阪慶子、その妹で同棲相手の娘は大竹しのぶが演じている。
裁判劇なので、検事役と弁護人が重要だが、検事には芦田伸介、弁護士は丹波哲郎ということで、裁判中のやり取りも、なかなか面白い。実際の刑事事件の裁判を見たり聞いたりしたことはないが、こんな風なのかなあと勉強になる。
一番の面白さは、検事側の主張と、その証人に対して、矛盾点を弁護人が指摘して、証言を突き崩していく点にあり、裁判では殺人が意図的であったのか、予期せぬ事故だったのかが争われる。
アメリカ映画では、裁判劇も多いが、アメリカでは陪審員裁判だから、検事と弁護人の役割は陪審員に対するアピールというか、心証形成を図る点に重点が置かれているが、日本では当時は陪審員制度ではないので、裁判官に対する心証形成を狙うのと、裁判官の真実探求に対する姿勢とのぶつかり合いもあるように感じられた。
やはり、役者のそろった芝居は面白いなあと、改めて感じた。
19歳の少年が、スナックののママを刺殺した事件の話で、犯人とされた少年は被害者の妹と恋仲で同棲中という背景。事件が起きるまでを描くのではなく、当該事件の裁判劇になっていて、裁判の中で、被害者や被告人たちの背景が徐々に浮き上がってくる。
野村芳太郎の映画なので、重厚というか何か重苦しいムードがあるが、最近の妙に軽い映画よりも面白い。何よりも役者が良い。被告人の少年は永島敏行で、被害者は松阪慶子、その妹で同棲相手の娘は大竹しのぶが演じている。
裁判劇なので、検事役と弁護人が重要だが、検事には芦田伸介、弁護士は丹波哲郎ということで、裁判中のやり取りも、なかなか面白い。実際の刑事事件の裁判を見たり聞いたりしたことはないが、こんな風なのかなあと勉強になる。
一番の面白さは、検事側の主張と、その証人に対して、矛盾点を弁護人が指摘して、証言を突き崩していく点にあり、裁判では殺人が意図的であったのか、予期せぬ事故だったのかが争われる。
アメリカ映画では、裁判劇も多いが、アメリカでは陪審員裁判だから、検事と弁護人の役割は陪審員に対するアピールというか、心証形成を図る点に重点が置かれているが、日本では当時は陪審員制度ではないので、裁判官に対する心証形成を狙うのと、裁判官の真実探求に対する姿勢とのぶつかり合いもあるように感じられた。
やはり、役者のそろった芝居は面白いなあと、改めて感じた。