日本の年末は第九ばかりで、ちょっと空気が重いので、ウィーン風に「こうもり」でも見ようかと思っていたら、たまたま衛星放送で宝塚版の「こうもり~こうもり博士の愉快な復讐劇」をやっていたので、録画して観る。16年春の星組公演で、102期生のお披露目を兼ねた舞台。
題名からしてヨハン・シュトラウスの名作オペレッタの脚色であることは明らかだが、宝塚向けというか、かなり自由に脚色している。1時間40分程度にまとめる必要があるので、曲の数を絞り込み、話を分かりやすくするために、この復讐劇の前段のエピソードで、オペレッタには出てこない部分を付け足している。アルフレードはオペレッタではロザリンデの愛人だが、宝塚版ではアイゼンシュタインの召使となっていて、アイゼンシュタインとロザリンデの二重の浮気という、いかにも19世紀ウィーンらしい味が抜けてしまった。
また、アデールに歌の上手い妃海風を起用したためか、オルロフスキー邸で歌うハンガリアの唄はロザリンデではなくアデールが歌い、仮面で身分を隠したロザリンデを、夫であるアイゼンシュタインが口説いてしまうという抱腹絶倒の筋書きが失われてしまった。オルロフスキーの性格もオペレッタ版とはかなり違う。まあ、宝塚での上演ではいろいろな制約があるのだろうが、「こうもり」を良く知っている人が見るとがっかりとするだろう。
結局は脚本が詰まらないということだろうが、脚本、演出は谷正純。1990年に大劇場デビューしたようなので、もうベテランといえると思うが、最近の宝塚では、歌の上手い娘さんが少なくなったようなので、よほどうまく台本を書かないと面白くならない。
しばらくぶりに見に行こうかとも思うが、こうしたテレビ中継を見ると、ちょっと心がくじける。
併演のレビューは「ザ・エンターテイナー」。歴代のエンターテイナーでも登場するのかなと思ったら、映画「スティング」の主題歌となった「エンターテイナー」に触発されたショーという感じで、特に特徴のないレビュー。もっと、テーマを決めてそれに沿った構成にしないと、どのショーを見ても同じという、偉大なるマンネリという感じ。ショーをきちんと批評する人はいないのかなあと、思う。
やはり、1970年代の定年制の導入などで、歌や踊りのうまい人材が専科に残りにくくなったのではないかという気がする。それでも、公演は毎回切符が売り切れているようだから、興行的には良い成績を残せているので、大変良いことだと思った。
題名からしてヨハン・シュトラウスの名作オペレッタの脚色であることは明らかだが、宝塚向けというか、かなり自由に脚色している。1時間40分程度にまとめる必要があるので、曲の数を絞り込み、話を分かりやすくするために、この復讐劇の前段のエピソードで、オペレッタには出てこない部分を付け足している。アルフレードはオペレッタではロザリンデの愛人だが、宝塚版ではアイゼンシュタインの召使となっていて、アイゼンシュタインとロザリンデの二重の浮気という、いかにも19世紀ウィーンらしい味が抜けてしまった。
また、アデールに歌の上手い妃海風を起用したためか、オルロフスキー邸で歌うハンガリアの唄はロザリンデではなくアデールが歌い、仮面で身分を隠したロザリンデを、夫であるアイゼンシュタインが口説いてしまうという抱腹絶倒の筋書きが失われてしまった。オルロフスキーの性格もオペレッタ版とはかなり違う。まあ、宝塚での上演ではいろいろな制約があるのだろうが、「こうもり」を良く知っている人が見るとがっかりとするだろう。
結局は脚本が詰まらないということだろうが、脚本、演出は谷正純。1990年に大劇場デビューしたようなので、もうベテランといえると思うが、最近の宝塚では、歌の上手い娘さんが少なくなったようなので、よほどうまく台本を書かないと面白くならない。
しばらくぶりに見に行こうかとも思うが、こうしたテレビ中継を見ると、ちょっと心がくじける。
併演のレビューは「ザ・エンターテイナー」。歴代のエンターテイナーでも登場するのかなと思ったら、映画「スティング」の主題歌となった「エンターテイナー」に触発されたショーという感じで、特に特徴のないレビュー。もっと、テーマを決めてそれに沿った構成にしないと、どのショーを見ても同じという、偉大なるマンネリという感じ。ショーをきちんと批評する人はいないのかなあと、思う。
やはり、1970年代の定年制の導入などで、歌や踊りのうまい人材が専科に残りにくくなったのではないかという気がする。それでも、公演は毎回切符が売り切れているようだから、興行的には良い成績を残せているので、大変良いことだと思った。