演劇の歴史の通史を分かりやすく書いた本を探してみたが、新しい本がなく、ちょっと古いが、ハートノルの書いた『演劇の歴史』を読む。1981年に朝日出版社から出版された本。白川宣力と石川敏男の共訳。約330ページの本だが、本文は260ページで、本文は二段組だが、写真がかなり多いので、簡単に読める。訳文はおおむね読みやすく、問題は少ないが、僕の得意な分野では、一部に題名の不適切な翻訳も見受けられた。
著者はイギリスの大学で教える演劇学者のようで、西洋の演劇中心だが、ギリシャ劇の発祥から、20世紀の半ばの現代演劇まで、バランスよく記述している。原著は1968年の出版で、「コンサイス・ヒストリー・オブ・ザ・シアター」となっているが、確かにコンサイスなので、個別の演劇作品の内容にはほとんど触れずに、全体傾向だけを述べている印象。大まかな流れは理解できるが、歴史書としては「なぜ」そのような変化が起きたかを、もう少し丁寧に語ってくれるとありがたいという印象。
翻訳の二人は、本に略歴が載っていなかったので、ネットで検索すると早稲田の演劇博物館の人のようだった。そのためかもしれないが、付録として、日本で出版された西洋演劇関係の本の詳細な一覧が50ページにわたり掲載されている。それを見て思ったのが、現在よりも昔の方が、西洋演劇関係の歴史書や解説書、戯曲の翻訳が沢山出ていたことだ。ほとんど読んでいないので、書名だけからの判断だが、昔の方がこうした知識の習得に熱心だったのではないかと思わせるものがある。
特に西洋演劇の通史を読もうと思うと、現在はほとんど見当たらないが、昔は結構、いろいろと出ている。こうした教科書的な基本書を出さないのは、現在の学者たちのレベルが低下して書く能力がなくなってしまったのか、手間がかかるのでさぼって書いていないのか、読む人がいなくなってしまったために出版ができなくなったのか、どんな理由なのだろうかと考えた。
まあ、こうしたことを勉強したいというならば、先ずは英語で呼んだらよいのではということかも知れないが、いろいろな分野でこうしたことが重なると、大学の教科書は全部英語になり、授業も英語でやらざるを得なくなるかも知れない。教官も明治時代のようにお雇い外国人を連れてこなくてはいけなくなるかも知らないなどと心配した。
著者はイギリスの大学で教える演劇学者のようで、西洋の演劇中心だが、ギリシャ劇の発祥から、20世紀の半ばの現代演劇まで、バランスよく記述している。原著は1968年の出版で、「コンサイス・ヒストリー・オブ・ザ・シアター」となっているが、確かにコンサイスなので、個別の演劇作品の内容にはほとんど触れずに、全体傾向だけを述べている印象。大まかな流れは理解できるが、歴史書としては「なぜ」そのような変化が起きたかを、もう少し丁寧に語ってくれるとありがたいという印象。
翻訳の二人は、本に略歴が載っていなかったので、ネットで検索すると早稲田の演劇博物館の人のようだった。そのためかもしれないが、付録として、日本で出版された西洋演劇関係の本の詳細な一覧が50ページにわたり掲載されている。それを見て思ったのが、現在よりも昔の方が、西洋演劇関係の歴史書や解説書、戯曲の翻訳が沢山出ていたことだ。ほとんど読んでいないので、書名だけからの判断だが、昔の方がこうした知識の習得に熱心だったのではないかと思わせるものがある。
特に西洋演劇の通史を読もうと思うと、現在はほとんど見当たらないが、昔は結構、いろいろと出ている。こうした教科書的な基本書を出さないのは、現在の学者たちのレベルが低下して書く能力がなくなってしまったのか、手間がかかるのでさぼって書いていないのか、読む人がいなくなってしまったために出版ができなくなったのか、どんな理由なのだろうかと考えた。
まあ、こうしたことを勉強したいというならば、先ずは英語で呼んだらよいのではということかも知れないが、いろいろな分野でこうしたことが重なると、大学の教科書は全部英語になり、授業も英語でやらざるを得なくなるかも知れない。教官も明治時代のようにお雇い外国人を連れてこなくてはいけなくなるかも知らないなどと心配した。