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マキシム・パスカル指揮の読響

2024-06-29 11:15:14 | 音楽
6月28日(金)の夜にサントリーホールで読響を聴く。仏のマキシム・パスカル指揮。あいにくの大雨で、客席後方は空席も目立った。7時開演で、15分の休憩を挟み、終演は9時5分頃。

曲目は、前半がハイドンの交響曲22番「哲学者」、ヴィバルディの「四季」の「春」部分のギター共演版、そして武満徹の「虹に向かって、パルマ」の3曲。休憩の後はストラビンスキーの「春の祭典」だった。

パスカルの選択なのか、古い作品から現代曲まで、バラエティに富んでいるというか、不思議な組み合わせ。パスカルは長身の細身で、手足が蜘蛛のように長い。指揮棒を使わずに素手で指揮をするが、指も長いので、まるで指揮棒が10本あるかのような指揮ぶりだった。

最初のハイドンは、テンポの変化はあまりないので、長い両腕を存分に使って曲想を付けた感じ。極オーソドックスな演奏だった。ヴィバルディの「春」は村治佳織がギター独奏。弦と一緒にギターが演奏するが、ギターで演奏する必要はあまり感じられない。

武満の「虹に向かって、パルマ」は、村治のギターと北村貴子のオーボエ。北村は読響の団員で、よくイングリッシュホルンなどを吹いているが、今回はオーボエ・ダモーレという、通常のオーボエとイングリッシュホルンの中間の音域の楽器。朝顔のところに膨らみがあり、音がまろやかな印象。武満らしい現代曲だが、美しい響きで、なかなか面白かった。村治はアンコールでビートルズの「イエスタデイ」の変奏曲を3声で弾き、技を見せた。オケとの共演でなく、単独の演奏の方が魅力的。

後半は「春の祭典」で、パスカルが長い両腕を振り回して熱演した。30分を超える曲だが、まったく退屈せずに、思わず引き込まれる演奏。こういう演奏がいつも聞きたいと思った。

演奏会が終わっても雨は降っており、帰りがけにいつものスペインバルで軽い食事。ハモン、トルティージャ、イワシのエスカベッシェ、タコのガリシア風、イカのフリットスなど。飲み物はワイン各種。

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