KOMIのブログ

金井一薫の周辺に起こった出来事や、学会、FN看護研究所関連の記事を紹介します。そして私のつぶやきをお聞きください。

社会福祉法人・武蔵野療園の取り組み

2015-03-25 09:34:38 | 日記




東京都中野区に本部がある「社会福祉法人・武蔵野療園」では、3年計画で、現在3か所にある特別養護老人ホーム(デイ、ショート、グループホームなど併設)で、「KOMIチャートシステム」を活用すべく取り組みを始めました。3年計画の中で、27年度が最終年に当たります。
1年目は、私が施設職員全員に「KOMIケア理論」の概要をお話ししました。その後、各施設から6~8名のリーダーとなる人材を選出し、その方々が作成した「KOMIチャートシステム」の事例を基に検討会を重ねました。
2年目に当たる26年度は、まずナイチンゲールKOMIケア学会主催の「基礎理論編」と「セカンドステージ」を、リーダー層全員に受講していただきました。その学習内容を踏まえて、リーダー層を4グループに分けました。グループは1.ナイチンゲールの生涯と『看護覚え書』を通して見えるケアの思想について、2.KOMIケア理論における目的論、3.KOMIケア理論における対象論、4.KOMIケア理論における方法論の4つです。
各職場から選出されたリーダーは、職場が偏らないように配慮しながら、それぞれ4つのグループに配置されて、各自の担当課題が割り当てられました。つまり、各職場毎に4つの課題についてしっかりと学習した人材が配置されているという企画です。各グループは、まず1~2か月をかけて内容を練り上げ、結果をリーダー全員の前でプレゼンテーションしました。1回目のプレゼンでは、各グループともかなりの訂正箇所や「こうしたらいいのでは・・・」という指摘や助言が出ましたが、次にそれを踏まえて2回目のプレゼンに臨みました。そうして完成させた内容は、全職場の、全職員に向けてリーダー自身が講義するという段取りになっています。この段階で、各グループとも、素晴らしい出来栄えでした。

さて、第1回目の全職場研修が3月9日(月)に始まり、昨日24日(火)が第2回目の研修日となりました。
毎回、3か所の職場から参加した人たちで会場が埋まります。特に介護職員が多いのですが、看護師、栄養士、PT、事務職員など、関係する職員は5月末までに必ず1日受講することになっています。
第1~3グループは各40分、第4グループは「KOMIチャートシステム」の説明が入りますので60分の講義です。午後には介護職員向けの「からだのしくみと機能」「細胞と免疫」という講義が、中野友愛ホーム施設長の後藤いづみさんによって行われました。
各グループとも、とてもわかりやすいプレゼンテーションができています。こうして、5月までには全職員が「KOMIケア理論」と「KOMIチャートシステム」になじんでいくものと思われます。わからないことがあれば、各職場にいる担当リーダーに聞けば、参考書などをもとに、適切な指導がなされることでしょう。
研修終了後には、記録を「KOMIチャートシステム」に切り替えていく作業が待っています。
このような学習と記録システムの変更にともない、なされているケアがより根拠に基づく確かな実践につながっていくものと思います。
日本の1つのモデルとなってくれることを期待しております。

困難な道ですが、一歩ずつ一緒に頑張りましょう!!