5月13日(金)
5月12日のナイチンゲール生誕記念日を挟んだ1週間を、看護週間と制定して、全国のあちこちで様々なイベントが開かれています。
私は、山梨県看護協会主宰の看護大会における記念講演に招かれ、「これからの看護ーナイチンゲールから日本の看護へ」というタイトルの講演を行ってきました。
会場となったアピオ甲府で、式典の前半は看護功労者17名、および県民の看護師さん6名の表彰式があり、受賞者の皆さまは晴れ姿で表彰式に臨んでおられました。
さて、「これからの看護」です。
看護職の創設と職能の自立は、1860年に開設されたナイチンゲール看護学校の教育に追うところ大です。
この学校で訓練された卒業生たちは、英国のみならず、世界の地に拡散していき、そこで看護という大きな木を茂らせることに尽力したのでした。その行為は、決して自分自身の功名のためではなく、また利潤を求めた行為でもなく、人々の健康と幸せの実現を願って命がけで行われた活動でした。看護活動の価値はその点にあります。
当時、ナイチンゲールによって指導された看護の理念や形は、こうして多くの関係者によって伝えられていきましたが、日本にもこの教えの種が埋め込まれました。今日、私たちが求める看護の原点は、当時のナイチンゲールが掲げた看護の理念の中にあります。
時代が変わり、国が異なる状況にあっても、なお、変わらぬ原点はそこにあります。ナイチンゲールが提起した発想を継承し、それを今日の状況に適応させた看護実践として展開していくことが、これからの看護の姿を形成していくうえで何よりも大事になってくると思います。
Nursing for the future -なんと心地よい響きでしょう!
この響きの真ん中に、ナイチンゲール思想が宿り続けることを、彼女の生誕を記念する日に、あらためて思うのでした。