第19回日本介護福祉教育学会が、神戸女子大学で開催されました。
シンポジウムのシンポジストとして発言する機会が与えられましたので、「日本の介護と看護のこれからを問うードイツの看護教育制度を通しての提言」を行なってきました。
他のシンポジストは、介護界の重鎮の井上千津子先生と中川学園学園長の中川義基先生です。中川先生は医師で、独自の介護論を展開しておられます。
私の提言内容は、在宅における地域包括支援が本格化するこれからの日本において、介護福祉士にも医療的行為が求められる中、今のままの教育内容では中途半端であり、需要に対して質的に応えられないという現実を踏まえて、コミュニティで活躍する介護福祉士に対して、看護師への道を拓くというものです。この発想は、ドイツ視察の中で得られた知見に基づいています。ドイツでは日本で「老人介護士」として認知されていた職種は、実は「老年看護師」として教育されていました。日本にとって1つのモデルになると確信しました。
コミュニティケアを担うのは介護福祉士だけではありません。看護師教育においても、現実を見据えた改革が必要だと思います。卒業してすぐに在宅ケアの現場に出ていきにくい教育内容を改め、求められるコミュニティナースを養成するための仕組みづくりが必要です。
病院や施設で働くことを主眼とした養成内容から、コミュニティケアの担い手としての質と量を確保できる教育体制づくりが急がれています。
今回、介護界にとってもまた看護界にとっても、共に法改正が必要となる提言を行なったことで、大きな波紋を呼ぶことになると思いますが、日本のこれからを見据えた思い切った対策を、多くの人々の力で創造していく時期に来ていると思います。
この続きは、ナイチンゲールKOMIケア学会第3回学術集会で展開します。どうぞ関心のある方はご参加ください。そしてご発言をお願いいたします。