KOMIのブログ

金井一薫の周辺に起こった出来事や、学会、FN看護研究所関連の記事を紹介します。そして私のつぶやきをお聞きください。

北海道南檜山看護連携検討会開催

2013-10-28 11:41:51 | インポート

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道立江差病院看護部を主軸とする「南檜山看護連携検討会」が開催されました。

今回は講演会ではなく、4事例が提供され、それを元にKOMIケアで展開する看護の方向性について、会場いっぱいにお集まりくださった参加者の方々を交えての話し合いとなりました。奥尻島からの事例提供者もあり、前日の台風27号の影響が心配されましたが、無事にフェリーが運航され胸を撫で下ろしての開催でした。

まずは4事例の提唱者から事例報告を行っていただき、私はそれについての内容的なコメントをすることにいたしました。4事例とも、一人の患者さんの入院から退院までの経過がKOMIチャートシステムを活用して作成された記録用紙にまとめられていて、とてもわかりやすく、かつ退院後の生活指導や治療について、どの部門にどのように引き継いでいけば良いのかが見えてくるという内容でした。例えば1つの病棟から他病棟へ、または退院後外来へ、さらには退院後地域のケアマネさんへ・・・と、多彩な看護連携のありようが見え、その都度KOMIチャートシステムが稼働して、看護の実態と継続ケアが見えるような仕組みづくりが始まっていることがわかりました。

これが可能なのは、やはり各部署や各施設の連携が同じ記録システムでつながっていることが大前提です。院内だけがランでつながっていても、地域連携は不可能です。患者さんが療養の場所を変えて移動するのですから、患者さんの移動に合わせて、同じ記録システムが稼働していけば、看護の継続は難なく実現しますし、その都度一から記録を取りなおさなくてもすみます。

こうした具体的な姿を垣間見ることができた1日でした。

前夜は正調江差追分を聞かせてくれるお店をご紹介いただき、素晴らしい尺八の音色と声に酔いしれましたし、また当日は函館に移動して、素晴らしい函館の夜景を眺めました。台風の影響で今回の研修会の開催を心配していたのがウソのように、晴れ渡った景色にまたまた感動の時間を持ちました。

関係者の皆様、ご協力有難うございました。そして札幌や函館、八雲からご参加の皆様にも感謝申し上げます。南檜山地区における今後の連携看護の姿がさらに深まり、日本のモデル地区として成長されますよう祈っております。


『看護覚え書』を読む会スタート

2013-10-28 11:01:23 | インポート

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10月20日(日)

久方ぶりにKOMIケア研修のセカンドステージが始まりました。小南吉彦先生による『看護覚え書』を読む会です。

新たなレジュメのもと、ナイチンゲールと『看護覚え書』との関連から説き起こされた講義が広がっていきました。

アルカディア市ヶ谷の会場は定員一杯となり、4時間という時の流れは静かに流れました。北海道や関西からも多くのメンバーが参集して、時折のディスカッションも交えての楽しい時間を過ごしました。

講義の最後に、最近、日本で生じている新たなナイチンゲールへの誤解と偏見の内容についての解説がありました。それは、すでに絶版となっている著書、ヒュー・スモールが書いた『ナイチンゲール:神話と真実』(みすず書房)という訳本が元になって生じている問題です。小南先生は、ナイチンゲール文献研究の第一人者であるリン・マクドナルド博士の文章を引用しながら、ナイチンゲール文献がヒュー・スモールによって正しく解釈されていない事実について触れ、さらにそれが日本的に解釈されている問題点についても触れられました。

私たちはナイチンゲール文献、特に『看護覚え書』を看護的に読む訓練を重ね、それを自らの臨床に活かしていく道を作らなければなりません。実践家であり、思想家であったナイチンゲールから学ぶことは際限なくあり、思想の真実を読み取る実力をつけていくことが求められています。

今回の第1回目のセミナーでは、きっとこんな思いを強くされた方が多かったのではないかと思います。

第2回目は、11月17日(日)に開催されます。