LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

2023年2月東京ミーティング(交流会)の報告

2023年03月08日 | Weblog

親と当事者、Ally交えての交流会、親子関係が微妙にかみ合わない点を各々シェアしました。

親は子どものセクシュアリティを何故受け入れられないのか?

  1. 親の世代は男女二元論の価値観の為、男女で割り振られないセクシャリティは理解できない
  2. かつて同性愛は性倒錯、異常と言われていた時代があり、その感覚が未だ抜けきらない
  3. 親の子に託する期待値が高く、子の意向を素直に受け入れられない
  4. 性別不合の感覚に共感が持てない
  5. 世間に顔向けできない
  6. 就職できないし、結婚もできない。つまり幸せになれないと思う

では、受け入れた親は何故受け入れられたのか?

  1. 理解は難しいが、愛しているので受け入れた
  2. 性的指向は趣向ではないと学んだから
  3. 子どもの性別に対する絶望的な違和感を、自分事として共感することができたから。
  4. 拒絶して自殺に追い込みたくない
  5. 親子と言えども別人格だから
  6. 子どもの幸せは子ども自身が決めるものだと気付いたから

 

 また、宗教や文化的背景がマイノリティを追い込むことにも話が及びました。

 キリスト教国であるアメリカやヨーロッパでは同性愛者への厳しい迫害があり、それに反発して反対運動が盛り上がっていった反面、日本においては宗教的抑圧はないものの、世間という同調圧力が足かせになり、差別と偏見意識がなかなか減らない。また、イスラム圏では同性愛が処罰の対象になる国も有り、そこで生きる当事者は生命の危険にさらされていると聞く。日本でもLGBTQ+の自殺率、自殺念慮率が高いのは、社会からの抑圧による孤立感、生きづらさからくるものと言われています。

 自殺念慮だけでなく、セクシュアルマイノリティは抑うつ状態から精神疾患にも陥りやすい。同時に発達障害も加わりWマイノリティ、トリプルマイノリティも多い。この事態を重く受け止め、彼らがこれ以上死に急ぐことのないよう、社会側が環境を整えるべきでしょう。この社会を築いてきた大人たち、親達がそのことに気づき、警鐘を鳴らし間違いを正して、多様性社会の意味を問いただしていきたい。多様性社会とは、一色ではなく、様々な人たちが集まって織りなす社会であり、面倒くさいことではあるけれども、皆で対話し、お互いの違いを理解し、尊重して支えあう社会であると。                 M

 

 


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3月名古屋ミーティングの報告

2023年03月08日 | Weblog

令和5年3月6日 いなべ市役所 シビック棟2階研修室5

 

トランスジェンダー当事者 5名
トランスジェンダーの子を持つ親 3名
同性愛の子の親 1名
看護師 1名
児童精神科の医師 1名        計 11名

 

今回のミーティングは、自己紹介の後にそれぞれの近況報告等を話しました。

 

【FTX当事者】

戸籍が女性であるので女性として健康診断を受けた。今までは苦痛だったが、今は、親や、職場で理解があり、女性ではないとカミングアウトしているので、健康診断は割り切って、受けることができた。体重が増えていたが、今は本当の自分を生きられているので、幸せ感のほうが強く、気にならない。

 

【MTFの子の母】

4年前から子が引きこもっている。半年前に性別適合手術をして、女性の戸籍にも変更したが、将来のことを聞くと、「死にたい、35歳まで生きたくない」と言い、「自分がどうなっているのか聞きたい。精神科を受診したい」と言い出した。精神科の医師から「今まで、生きづらかったね、と言われて泣いた」と本人から聞き、そこに気づかずに申し訳ないと思った。

 

【MTX当事者】

戸籍は男性。服装は女性。好きになるのは女性。手術なし。ホルモン治療なし。50歳を過ぎ、やりたいことがあるので、来月仕事を辞めて、資格取得の勉強をする予定。LGBTQに関して、国には差別禁止を求めず、同性婚を訴えたい、と考えている。

 

【MTFの子の親】

最近ものすごく嬉しいことがあった。今まで子どものことが心配で見守ることしかできなかったが、子どもから家族に対して、自分でバイトしたお金でスイーツを買ってきてくれた。めちゃくちゃ嬉しかった。家族全員で喜んだ。自分の足で歩き始めていると感じた。

 

【FTM当事者】

21歳の時にタイで戸籍変更のための手術をした。男性として数年が経ち、付き合っていた方と結婚をした。子供が欲しいと思い、本日相談に来た。

 

【MTF当事者】

40年間男性の鎧をまとっていた、40歳の時にトランスし女性として生活している。戸籍変更の手術をしていないので、男性戸籍である。どうしても、戸籍の壁を越えられない。差別禁止法で制度があれば、普通に女性として生きられるのかなぁ、と思う。

 

【児童精神科医師】

外来でも、ちらほら相談がある。親が子供から「死にたい」と聞くのはつらいと思うが、自分のことをありのままに出せる相手(親)がいることが素晴らしい。言葉だけでなく、自傷行為が出ると心配。「そう言えることは正常だよ」と伝えて。

 

次回は令和5年4月3日(月)13:00〜 いなべ市役所で行います。

※産婦人科医師にもご参加頂きますので、ホルモンの相談を個別に個室ですることができます。


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