LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

娘からのカミングアウト

2006年07月03日 | Weblog
学生時代の終わり頃だったかと思う。ファミレスで娘と二人の楽しいお茶のひととき。家を離れて学生生活を送る娘とは時々出会って話をしている。

[好きな人ができてん。」満面の笑みをたたえた私に「女の人やねん。」天国から地獄へという感じがこれかもしれない。混乱状態の中での娘の一言。「お母さんの育て方が悪かったのと違うから、それだけは覚えておいて。」これが娘からのカミングアウト。カミングアウトという言葉さえ知らなかった私は、その後娘の本が出版されるまで「忘れておこう、聞かなかったことにしよう」の数年間が続いた。異性愛が正常。そしてその人生一直線を歩んできた私にとって、次に何か言い出されるその時がこわかった。

府議挑戦、当選。そして運命の日が去年8月の初め。家族4人揃った席で、「本を出す。見本本もできている。一週間後に店頭に並ぶ。」内心恐れていた日がやってきた。マスコミに取り上げられる。その母として私は生きていけるのか。渦が心と頭の中をかけめぐった。その時の息子の一言が、私の気持ちを落ち着かせた。30年間、喘息とアトピーに苦しんできた息子が言った。「僕はかな子を応援する。病気の苦しさよりも、それを見つめる世間の目のほうが僕には冷たかった。少数者に世間は冷たい。かな子のやることが法にふれない限り、それを応援するのが家族と違うんか。」

7月の映画祭。おそるおそる参加。受付に座っていた娘の笑顔。あんな落ち着いた優しい笑顔は殆んど見たことがなかった。「かな子は仲間といることが落ち着くんだ。」

8月。ゲイパレード(東京)でカミングアウトを皆の前ですると聞く。その様子を見てみたいので、行こうと決心する。

少しずつ勉強し、娘のやろうとしていることを応援しようと思い、私も世の中に宣言!のつもりで朝日新聞の声欄に投稿。年末になっていた。

そして今、親の会の発足に関わっている。
                            尾辻 孝子


☆尾辻かな子さんのお母様からの投稿です。いつも明るくて、そばにいるだけで安心できる、そんなお母様ですが、やはり「忘れておこう、聞かなかったことにしよう」という時期があったのですね。でも今では、この会になくてはならない強力なサポーターです。みなさんもきっとなれる!!  

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第3回ミーティングを行いました

2006年07月03日 | ミーティング
7月2日(日)第3回のミーティングを、14名の参加者と2名の記者さんの計16名で行いました。少しずつ参加者が増えてきて、次回がこれ以上の人数になりそうなら場所を変えなければ・・といううれしい悲鳴が上がりました。

これまでは同性愛の当事者および家族によるミーティングでしたが、今回は性同一性障害(GIDというのですね)の方の友人および家族の参加があり、あらためて性の多様性を考えさせられました。また年配のゲイの方が新聞記事を見て参加され、これまでの人生を振り返られて涙される場面もあり、さらに大学でセクシュアルマイノリティのサークルを作られている学生さんがお母様を連れて、そしてそのOBである社会人一年生の若い方たちの参加もあって、時代を超えてこの問題が社会に存在していること、けれども少しずつその様相が変わってきていることも実感しました。

また当事者の親の友人の方が関心を持って自ら参加、協力を申し出てくださったこと、社会とこの問題をつなぐ接点としてのメディアの立場から、二人の記者さんがこの会の進行を見守ってくださったことも、今後のこの会の活動を支える大きな励みでした。名実ともに「LGBTの家族と友人をつなぐ会」でした。

自らがセクシュアルマイノリティだと気づき、悩んだ時期を経て、やがてカミングアウトする時を迎える当事者の気持ち、そしてカミングアウトされた親の気持ち、性転換しても友人でいてほしいと言われた友人の気持ち、それを見つめる第三者の気持ち、そしてそれらが時と共に変化していく様子。お互いの気持ちを交換しながら、この会は社会の縮図だと思いました。社会からみればほんの十数人の集まりですが、でもひとりひとりその感じ方、考え方は違っている。それらをお互いが受け入れ、認め合う。支え合う。大きな社会になったって、できるはずでは・・、と感じます。みんな同じく痛みも感じ、喜びも感じられる人間なのだから。

次回、第4回ミーティングは下記のように決まりました。

  日時;9月3日(日)1時半~4時
  場所;堺市 尾辻かな子事務所(TEL.072-282-5588)
☆ どなたでも参加できます。できれば収容人数の関係上、事前にご連絡いただけるとありがたいです。

7月21日から25日は「関西Queer Film Festival 2006」が行われます。映画好きな人も、映画好きでない人も、行って、見て、見聞広めませんか。(なんか親世代の表現の仕方ですいません・・)自分も含めて多様な人間を理解する、そんなきっかけになるのでは?

そして8月12日(土)は東京レズビアン&ゲイパレードです。家族や友人として「LGBTの家族と友人をつなぐ会」も一緒に歩こうと計画しています。みんなで社会に呼びかけましょう。「私たちは彼らを誇りに思っている」と。「性の多様性を認め合おう」と。またパレードの前後どちらかに、全国の家族と友人の交流会も計画しています。さらに多くの家族と友人が出会い、そこから何かが広がっていけばと思います。(詳しくは、決まり次第このブログに掲載します。)

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