三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

聖霊降臨後第16主日の聖餐式

2014年09月28日 | 聖公会の礼拝
日本聖公会 東京聖三一教会
(住所:東京都世田谷区代沢2-10-11)

安倍晋三が国連で「ニッポンの存在感」をアピールしたらしい。この傲慢で恥知らずな国は国連人権委の厳しい対日勧告を黙殺しつつ、「歴史認識・死刑・捕鯨」では中韓・欧州・豪州を挑発。その一方、米国からは疎まれ、ロシアや北朝鮮には足元を見られている。放射能汚染水やヘイトスピーチも止まらない。だが、この国の人々は「ニッポンは世界から尊敬されている!」と信じて疑わない。もはや「カルト」だ。かくも国際協調とは程遠い「夜郎自大な存在感」に、世界は辟易しているのではないか。

9月28日(日)、世田谷の東京聖三一教会(日本聖公会)で聖霊降臨後第16主日の聖餐式に参列した。聖三一(さんいち)という名称は、この教会が築地にあった頃からのもの。当時は赤煉瓦造りの大聖堂で、立教学院の創立者・ウィリアムズ主教が生活費を削って(!)建てたという。午前10時30分、聖餐式の開始を告げる鐘が鳴り、司祭とサーバー(侍者)が入堂。私にとって東京聖三一教会での聖餐式は、昨年12月の降臨節第4主日以来だ。福音朗読は「二人の息子」のたとえ(マタイ21・28-32)。

高橋顕司祭は、「今日の福音の大切なキーワードは、『後で考え直す』です。ギリシャ語でメタメロマイというこの言葉は、イエスを裏切ったユダが後悔する箇所(マタイ27・3)でも使われています。これは主イエスが神様の愛をあらわす時、私たちに促している大事な言葉なのです。主イエスと共に、私たちもメタメロマイしていくという決断と大きな招きへ踏み出しましょう」と話された。私が自発的に教会へ通うようになって、今秋で4年目を迎える。受洗に至らぬ現状を「メタメロマイする」時なのかもしれない。


聖堂内観(1961年竣工)

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:345「われらのたたえる神」、昇階聖歌:410「大いなるわざを讃め」、奉献聖歌:369「罪あるわれらを」、陪餐聖歌:264「目覚めさせてください」、退堂聖歌:534「あなたに呼ばれて」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「BRICKS AND IVY 立教学院百二十五年史図録」 同年史編集委員会編(立教学院・2000年)
・「東京教区90年のあゆみ」 2013フェスティバル実行委員会編(日本聖公会東京教区・2013年)
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生神女誕生祭(五旬祭後第15主日)聖体礼儀

2014年09月22日 | 東方正教会
日本正教会 東京復活大聖堂教会
(住所:東京都千代田区神田駿河台4-1-3)

先月18日、教皇フランシスコは韓国ソウルの明洞(ミョンドン)司教座聖堂で7人の元従軍慰安婦に会い、一人ずつ手を握って慰労された。その様子は『ニューヨーク・タイムズ』などの海外メディアでも大きく報道されたが、汚物のようなニッポンの愛国者どもは執拗に『朝日』を叩き続けている。この支離滅裂な妄想によれば、「バチカンや国連、及び慰安婦問題でニッポンを非難してきた国々(米国、EU、オランダ、カナダ、台湾、フィリピン)も『朝日』の捏造に騙されている!」となろう。世界が驚く新事実。

9月21日(日)、東京復活大聖堂教会(通称ニコライ堂)で、生神女(注)誕生祭の聖体礼儀に参祷した。生神女誕生祭は正教会の12大祭の一つで、旧暦に基づく毎年9月21日に「『救い』を与えるイイスス・ハリストス(イエス・キリスト)を生むマリヤの誕生を、正教会は救いの始まりとしてお祝いします」(『生神女マリヤさま』)。今年は五旬祭後第15主日と重なった。午前10時、聖体礼儀の開始を告げる鐘と共に、ダニイル府主教と司祭が入堂。福音経は、「最も重要な掟」についての問答(マタイ22・35-46)。

北原史門神父は、「主イイススが示された『全身全霊での神への愛』、『汲み尽くせない程の隣人への愛』という2つの戒めを、自分には出来そうもない教えと考えるのなら、それは神から与えられた自分への恵みやタラント(才能)を過小評価しています。なぜなら、実現不可能な戒めを、神はなさらないからです」と話された。もしかすると、私にも2つの戒めを実現するタラントが潜んでいるのかもしれない。早速、この願いの助けとして、卓上型イコンを教会事務所で入手。もちろん、図像は「生神女」である。


<聖体礼儀を終え、退堂されるダニイル府主教座下

(注):生神女(しょうしんじょ)は、ギリシャ語のテオトコス(テオは「神」、トコスは「生む」)に由来。「正教会がマリヤさまを『生神女』という時、それは、神さまが人となったという『藉身(せきしん。受肉)』の事実を明らかに宣言しているのです。このように、正教会において、マリヤさまは必ずイイスス・ハリストスとの関連の中にいます。マリヤさまを単独でハリストスと切り離して考えることはありません。だから、単に『聖母』ではなく『生神女』という言い方が大切にされているのです」(『生神女マリヤさま』より)。

◆主な参考文献など:
・「生神女マリヤさま」 (日本ハリストス正教会教団 全国宣教委員会・2012年)
・「正教要理」 トマス・ホプコ著、水口優明訳(日本ハリストス正教会西日本主教教区・2012年)
・「東京新聞」夕刊 (2014年8月19日付記事「ローマ法王、元慰安婦に言及」)
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聖霊降臨後第14主日の聖餐式

2014年09月16日 | 聖公会の礼拝
秋の気配が漂う立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

汚物のようなニッポンの愛国者どもが品性下劣を増し加えながら、半狂乱になって『朝日』を叩いている。この従軍慰安婦問題を全否定しようとするニッポンの悪あがきに対して、国連は再び「謝罪と補償」を迫った。また、教皇フランシスコは訪韓時に「(元慰安婦は)侵略で連れて行かれ、利用されたが、人間的な品位を失わなかった」と発言された。四面楚歌の内弁慶ニッポンは世界に堂々と反論したらどうか。「全ては我が国を貶める『朝日』の捏造だ!」。この狂気がニッポンを貶めている。

9月14日(日)、立教大学チャペル(日本聖公会)で聖霊降臨後第14主日の聖餐式に参列した。午前10時、振り香炉と十字架を先頭に、司祭団が入堂。この日は唱詠聖餐式(歌ミサ)であった。福音朗読は「仲間を赦さない家来」(マタイ18・21-35)。市原信太郎司祭は、「王は家来を憐れに思った。『憐れに思う』というギリシャ語のスプランクニゾマイは、『放蕩息子』の話にも出てきます。そこには息子や家来が共にいてくれるなら、どんなことも惜しまない、という神の無限の愛があります」と話された。

「しかし、家来はなぜ王を怒らせたのか。それは仲間の借金を取り立てたからではなく、仲間と共に生きるという自分の大事な使命を蔑ろにしたからなのです。また、神の憐れみを自分の心の内に持つことができなかったとも言えるでしょう」。市原チャプレンが強調されたように、赦しには「仲間と共に生きる」という神の望みを考えなければならない。今、隣国を憎悪するニッポン人、そんなニッポン人を憎悪する私のような者は、この日の旧約朗読箇所のシラ書の一節(注)を自戒の言葉とすべきだろう。


ツタが秋色に染まる立教学院諸聖徒礼拝堂

(注):シラ書(27・30-28・7)。「人が互いに怒りを抱き合っていながら、どうして主からいやしを期待できようか。自分と同じ人間に憐れみをかけずにいて、どうして自分の罪の赦しを願いえようか。弱い人間にすぎない者が、憤りを抱き続けるならば、いったいだれが彼の罪を赦すことができようか。」(シラ書28・3-5)。

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜3(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:14「空を染める 朝の光」、続唱聖歌:150「父よ彼らをゆるしたまえ」、奉献聖歌:243「神の約束 果たされるまで」、陪餐聖歌:257「血しおを流し」、派遣聖歌:262「なが罪赦さる 安らに行けと」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・『東京新聞』夕刊 (2014年8月19日付記事「ローマ法王、元慰安婦に言及」)
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東京聖十字教会(日本聖公会)

2014年09月10日 | 聖公会の教会
日本聖公会 東京聖十字教会
(住所:東京都世田谷区若林4-18-8)

9月7日(日)、世田谷区の東京聖十字教会(日本聖公会)で聖霊降臨後第13主日の礼拝に参列した。まずは、その沿革をおさらい。「関東大震災の翌1924年、まだ畑であった借地(現在地)に、檜の生垣を巡らした小さなバラック建て教会が誕生しました。築後36年余の1961年、レイモンド建築事務所の設計で現聖堂が完成。特注の曲がった柱状合板による『蒲鉾型合掌造りの聖堂』は、世界的な建築家による建物として、今でも見学者が多く訪れます」(『東京教区90年のあゆみ』から要約)。

東急世田谷線の松陰神社前駅で下車、周辺には吉田松陰を「ご祭神」とする松陰神社がある。私の高校時代の友人がここに寄宿しながら、國學院大学に通っていたことを思い出す。その部屋を訪ねたこともあったが、個人的には「神道」が苦手だ。「敬虔なカトリック信者」でありながら、堂々とヤスクニ参拝をする麻生太郎、山谷えり子、稲田朋美らの「行状」には言葉を失う。この不可解な人々は安倍政権の「極右の重鎮」でもあるが、某カリスマ神父によれば「必ず!み~んな救われちゃう」らしい。

東京聖十字教会に到着。周囲は閑静な住宅街である。午前10時30分、礼拝の開始を告げる鐘が鳴った。この日は聖餐式ではなく、「み言葉の礼拝」(カトリックの「集会祭儀」、正教会の「代式祈祷」に相当)が行われた。司式は信徒奉事者が務め、管理牧師の福音朗読箇所(マタイ18・15-20)に基づくメッセージが代読された。私にとって「み言葉の礼拝」は初めてだったが、「聖書のみ言葉を中心に共に祈り、感謝と賛美の豊かな礼拝」(『み言葉の礼拝』式文より)を献げることができた。神に感謝。


聖堂内観(1961年竣工)


聖堂外観

<付記>
ユニークな聖堂の設計は、チェコ出身の米国人アントニン・レイモンド(Antonin Raymond:1888-1976年)。教会建築の代表作にカトリック目黒教会聖堂カトリック豊島教会聖堂、日本聖公会・聖オルバン教会礼拝堂、日本聖公会・立教学院聖パウロ礼拝堂など。なお、東京聖十字教会の聖堂内にある会衆席の長椅子(跪き台付き)も、レイモンドのデザイン。この日、私は東京聖十字教会所属の男性信徒の方から当聖堂についての様々なご教示を賜った。お心遣いに厚く御礼申し上げます。

◆み言葉の礼拝で歌われた聖歌:
ミサ曲(キリエ、大栄光の歌)。入堂聖歌:442「ともにあつまる」、昇階聖歌:472「ここに祈りの家がある」、奉献聖歌:258「人の知恵も」、退堂聖歌:417「あなたの平和の器にしてください」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「東京教区90年のあゆみ」 2013フェスティバル実行委員会編(日本聖公会東京教区・2013年)
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ブログ記事の更新について

2014年09月04日 | 雑記帳
東京大学駒場キャンパスの時計台
(住所:東京都目黒区駒場3-8-1)

現在、私は東京大学で「市民後見人養成講座(第7期)」を受講している(一般向けの公開講座で、簡単な審査を経た後、誰でも受講できる)。「市民後見人」とは、家庭裁判所から選任された一般市民の「成年後見人」(注)で、認知症高齢者や知的障がい者らの財産管理と身上監護などの後見業務を行う。「事理を弁識する能力(判断能力)を欠く常況にある(民法7条)」本人のために契約などを締結する場合もあり、後見人には一定の法律知識(民法の財産・家族法など)が要求されている。

そのため、東大の「養成講座」は合計124時間(座学と実習)に及び、修了時の「厳格な審査」によって履修証明書が交付される。将来、私はキリスト教的愛に基づく(?)後見人として、地域の認知症高齢者や知的障がい者の方々を支えたいと望んでいるが、まず「初仕事」は父の後見であろう。後期高齢者の父は心身が弱りつつあり、たまに救急車のお世話になっている。奇しくも、東大は父の母校であり、若き日は今回の「養成講座」の会場となった900番教室(下写真)で学んでいたのである。

以上、前置きが長くなりましたが、「市民後見人養成講座」の受講期間中(2015年1月11日まで)は、ブログ記事の更新頻度がやや低くなります。10月以降は本郷キャンパスで学ぶことになり、授業日の第2・第3日曜日は教会の主日礼拝に参列することが難しくなります(聖公会の早朝聖餐式、及び本郷周辺のプロテスタント教会の夕礼拝への参列を検討しています)。また、実務演習や体験実習などのレポート作成もあるため、ブログ記事の更新は毎月3回ほどになります。何とぞご了承ください。


東京大学駒場キャンパスの講堂(900番教室)
<上写真の時計台と共に、旧制一高時代の校舎>

(注):民法に基づく「成年後見制度」とは、認知症や知的障害などで判断能力が衰えた方を支援するための国の制度である。「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があり、前者は判断能力の度合いに応じて「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれている。ちなみに、私の学生時代は「禁治産(きんちさん)・準禁治産制度」と呼んでいた(2000年、民法の一部改正で「補助」を新設)。

◆主な参考文献など:
・「今日から成年後見人になりました」 児島明日美、村山澄江共著(自由国民社・2013年)
・「市民後見人養成テキスト」 大森彌、堀田力ほか共著(NPO法人 地域ケア政策ネットワーク・2014年)
コメント (2)
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