三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

降誕後第1主日の聖餐式

2013年12月30日 | 聖公会の礼拝
年の瀬の立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

安倍晋三の「ヤスクニ電撃参拝」は国際社会の猛反発を招いた。この国家神道の狂信者の愚挙に対し、中韓両国を始め、国連、EU(欧州連合)、ロシアなどが一斉に批判。安倍にとって予想外だったのは、オバマ政権と米国メディアからの強烈な怒りであろう。だが、周辺諸国への憎悪を煽ってきたニッポンの御用メディアは、こんな四面楚歌の状況を伝えない。そして、この国の人々は「ニッポン人であること」にしがみつき、それに酔い痴れている。理性と良識とを欠いたまま。

12月29日(日)、立教大学チャペル(日本聖公会)で降誕後第1主日の聖餐式に参列した。この日、2013年最後の主日礼拝を迎えた。午前10時、振り香炉と行列用十字架を先頭に、司祭団が厳かに入堂。福音朗読は、「初めに言(ことば)があった」で始まるヨハネ福音書(ヨハネ1・1-18)。八木正言司祭(立教大学チャプレン)は「今も様々な闇に苦しむ人たちがいます。しかし、その闇が深ければ深いほど、光の輝きは気高さを増し、そこに人々は希望を見いだします」と話された。

「洗礼者ヨハネは暗闇に住む民に、イエスこそ『まことの光、世の全ての人を照らす光』との証しをした。これこそが全てのキリストの僕(しもべ)の使命かもしれません」。八木チャプレンの説教を聞き、小説『クリスマス・キャロル』の老人スクルージのように闇の中を歩む私も、来年こそは僕(しもべ)の群れに加わりたいと密かに願った。礼拝後、女性信徒による温かい紅茶のサービスがあった。緑茶やコーヒーなどではなく、紅茶というのが「いかにも立教らしい」校風と言えよう(?)。


冬休み中の立教大学池袋キャンパス
“ 神の言(ことば)よ、天(あめ)より降りて・・・(聖歌440) ”

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜1(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:82「み使いの(アデステ)」、続唱聖歌:440「神の言(ことば)よ」、奉献聖歌:353「天地の初めに」、陪餐聖歌:79「マリアに抱かれ」、派遣聖歌:91「荒野の果てに(あめのみつかいの)」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「クリスマス・キャロル」 ディケンズ著、北川悌二訳(講談社文庫・1972年)

<お知らせ>
本記事が2013年最後の投稿となります。今年も「三多摩の鐘」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。どうぞ良い年をお迎えください。なお、2014年の更新は1月4日(土)から再開する予定です。
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降誕日の聖餐式(日中のミサ)

2013年12月28日 | 聖公会の礼拝
降誕日を迎えた立教大学チャペル
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

12月25日(水)、立教大学チャペル(日本聖公会)で降誕日の聖餐式(日中のミサ)に参列した。この日は主の御降誕を祝福しているような快晴であった。昨晩、立教学院のクリスマス・イブ礼拝はタッカーホール(講堂)で盛大に祝い、その後の第1聖餐式(深夜のミサ)、第2聖餐式(暁のミサ)、そして第3聖餐式(日中のミサ)はチャペルで行われた。とくに「日中のミサ」は「ハイ・マス(High Mass)」による荘厳な唱詠聖餐式(歌ミサ)が捧げられるという。私は喜び勇んでチャペルに向かった。

午前10時、振り香炉と行列用十字架を先頭に、司祭団が厳かに入堂。五十嵐正司主教(立教学院チャプレン長)は主教冠を戴き、司祭はビレッタ(四角い黒色の帽子)を被りながら、鮮やかなコープ(マントのような祭服。東方正教会のフェロンに類似)をお召しになっている。乳香の煙、アコライト(侍者)の美しい所作、パイプオルガンの重厚な響き、ハンドベルの澄んだ音色。この日は聖書も独特の節回しで朗唱された。私はこれほどの荘厳な礼拝を、日本の西方教会で体験したことがない。

福音朗読は「初めに言(ことば)があった」で始まるヨハネ福音書(ヨハネ1・1-14)。八木正言司祭(立教大学チャプレン)は「神は私たちが一歩を踏み出すことを愛をもって、忍耐強く待っておられます。主を信じて一歩を踏み出す勇気ある人には、必ずクリスマスの奇跡が訪れるでしょう」と話された。派遣聖歌「神には栄え(天には栄え)」を歌う。聖歌隊と超満員の会衆が一体と化した歓喜の大合唱で、メンデルスゾーンの気高い調べが響き渡った。謹んで主の御降誕のお慶びを申し上げます。


立教大学正門のデコレーション
“ 今あれましし きみをたたえよ・・・(聖歌81) ”

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜1(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、参入唱(聖歌隊奉唱):「御言葉は人となり」(ハスラー)、入堂聖歌:82「み使いの(アデステ)」、昇階・続唱聖歌:70「ダビデの村里」、奉献アンセム(聖歌隊奉唱):「汚れなきバラ」(ハウエルズ)、奉献聖歌:88「み子が生まれた」、陪餐アンセム(聖歌隊奉唱):「What sweeter music」(ルッター)他、陪餐聖歌:74「きよしこの夜」、派遣聖歌:81「神には栄え(あめにはさかえ)」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「私たちと礼拝」 竹内淑子、竹内謙太郎共著(聖公会出版・2003年)
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クリスマス・イブ礼拝(唱詠晩祷)

2013年12月26日 | 聖公会の礼拝
日本聖公会 聖マルコ教会
(住所:東京都府中市美好町3-8-2)

12月24日(火)、府中の聖マルコ教会(日本聖公会)でクリスマス・イブ礼拝(夕の礼拝)に参列した。この唱詠晩祷は降誕日に行われる3つの聖餐式(深夜・暁・日中のミサ)に先立つ礼拝である。以前、私は聖マルコ教会に百年を超える歴史を訪ねたが、礼拝は今回が初めてだ。京王線の分倍河原駅で降り、夜のクリスマス気分に浮かれた商店街を歩く。居酒屋の入口からサンタさんの帽子を被った客の姿が見えた。聖マルコ教会の灯りを認めた時、ようやく私の心は安らいだ。

午後7時、礼拝の開始を告げる鐘が鳴り、司祭と奉仕者が厳かに入堂。古い木造の聖堂内は超満員である。蝋燭の灯りだけが輝くキャンドル・サービス(燭火礼拝)の中で、「9つの聖書日課とキャロル(The Nine Lessons and Carols)」という聖公会の伝統的な礼拝が捧げられた。これは聖書のみ言葉を味わいながら、聖歌で主の御降誕を祝うもの。「クリスマス物語」のような9つの朗読個所(下記参照)は、老若男女の信徒が交代で担当し、その度に会衆は大きな歌声で応えた。

「シメオンの賛歌」の後、聖堂内の照明が点けられ、中村邦介司祭の説教となった。「神様は私たちに幼子のしるしを示して、救いの不思議な源泉に気づかせようとされています。見えるものだけに救いを求める人は、あの馬小屋の中に神の御子を見出すことができません」。退堂聖歌「神には栄え(あめにはさかえ)」を歌う。約1時間40分の長い礼拝であったが、聖歌の気高い調べに包まれながら、いよいよ目前に迫った主の御降誕に喜びが湧き上がる祈りの夕べとなった。


クリスマス・イブの聖マルコ教会
“ 昼よりさやかに 輝く星こそ・・・(聖歌109) ”

◆クリスマス・イブ礼拝の聖書朗読個所、及び聖歌:
入堂:69「もろびとこぞりて」、S8-5「マリヤの賛歌」、第1日課(創世3・8-19):64「久しく待ちにし」、第2日課(創世22・15-18):85「ああベツレヘムよ」、第3日課(イザヤ9・2、6-7):83「人にはみ恵み」、第4日課(イザヤ11・1-9):72「エッサイの根より」、第5日課(ルカ1・26-38):66「み使い来たり告げん」、第6日課(ルカ2・1-7):75「かいばおけの」、第7日課(ルカ2・8-16):94「まきびと羊を」、第8日課(マタイ2・1-12):109「昼よりさやかに」、第9日課(ヨハネ1・1-14):S11-3「シメオンの賛歌」、使徒信経後:91「荒野の果てに」、退堂:81「神には栄え」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)
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降臨節第4主日の聖餐式

2013年12月22日 | 聖公会の礼拝
日本聖公会 東京聖三一教会
(住所:東京都世田谷区代沢2-10-11)

猪瀬直樹が僅か1年で都知事を辞職した。昨年、東京の有権者は「脱原発・反貧困」を訴えた候補者を退け、品性下劣な石原都政の承継に「史上最多の434万票」を投じたから、今度の都知事選でも愚かな選択を繰り返すだろう。今や安倍晋三の「完全にブロック」の大嘘も破綻し、東電は大量の放射能汚染水を止めどなく垂れ流している。こんな都知事と首相の「破廉恥コンビ」が詐取した五輪開催に「ワクワク、ドキドキ」するニッポン人。こんな連中を増長させてきたのもニッポン人。

12月22日(日)、東京聖三一教会(日本聖公会)で降臨節第4主日の聖餐式に参列した。アドヴェントクランツに4本目のローソクが灯され、いよいよ今週は主の御降誕を迎える。午前10時30分、聖餐式の開始を告げる鐘が鳴り、司祭と奉仕者が厳かに入堂。福音朗読は、主の天使がヨセフの夢に現れる場面(マタイ1・18-25)。高橋顕司祭は「飼い葉桶の幼子の姿は、弱くて貧しい私たちの心の闇に、イエス様が来られたことを示し、そこに神の愛と希望が約束されています」と話された。

「その飼い葉桶は私たちの心であり、イエス様が宿ってくださる。私たちが闇で終わらないため、イエス様は十字架にあげられた。この神の恵みがクリスマスなのです」。高橋司祭の説教を聞き、私は聖イグナチオの言葉を思い出した。「主がこの上なく貧しい状態の中で生まれ、飢え渇き、暑さや寒さ、辱しめやさげすみの数々の労苦を忍ばれたあげく、十字架上で死ぬこととなる。そして、この全ては私のためである」。それでも、巷(ちまた)のクリスマス気分に浮かれてしまうダメな私。


東京聖三一教会聖堂
“ ああイマヌエルよ、とく来たりたまえ・・・(聖歌65) ”

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲(キリエ、サンクトゥス、アニュス・デイ)、参入聖歌:59「おいでください 世の救い主」、昇階聖歌:65「ああイマヌエルよ」、奉献聖歌:354「世のはじめより」、陪餐聖歌:263「主に出会うことは」、派遣聖歌:69「もろびとこぞりて」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「霊操(改訂版)」 聖イグナチオ・デ・ロヨラ著、ホセ・ミゲル・バラ訳(新世社・1992年)
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立教女学院チャペル「クリスマス礼拝」

2013年12月18日 | 聖公会の礼拝
日本聖公会 立教女学院聖マーガレット礼拝堂
(住所:東京都杉並区久我山4-29-60)

12月15日(日)、立教女学院聖マーガレット礼拝堂(日本聖公会)で降誕日(クリスマス)礼拝に参列した。本来、この日は降臨節(待降節)第3主日だが、立教女学院チャペルでは今年最後の主日礼拝(卒業生・一般向け)となっていたので、教会暦よりもひと足早いクリスマスを迎えた。会衆席には地域の子どもたち、立教女学院の生徒たち(と思われる)の姿もあって、チャペルは華やいだ雰囲気に。午前10時、行列用十字架とトーチベアラーを先頭に、司祭と聖歌隊が厳かに入堂した。

この日の「ミサ曲」はバロック期フランスの作曲家シャルパンティエ(1643-1704年)の「真夜中のミサ(クリスマス・ミサ)」だった。しかも、リコーダー、弦楽器のヴィオラ・ダ・ガンバから成る“古楽器アンサンブル”の伴奏付きだった。民謡風のキャロルに基づく素朴な調べは、悲劇的な映画「シベールの日曜日」(1962年・フランス)のクライマックスでも切々と流れていたのを思い出す(エンドクレジットによれば、音源はエラート・レコード)。それにしても、聖公会の礼拝でシャルパンティエとは驚いた。

福音朗読は、主イエス御降誕の場面(ルカ2・1-20)。上田亜樹子司祭(立教女学院チャプレン)は「神様が私たちを愛されている証しとして、イエス様は幼子の姿でこの世に来られた。クリスマスは私たちの日々の苦しみを置き去りにすることではありません。むしろ、その苦しみの時も神様が見守っておられるということを心に留めておきましょう」と話された。退堂時、パイプオルガンの壮麗な響きと共に、クリスマス・キャロルの名歌「まきびと羊を」を歌う。謹んで主の御降誕のお慶びを申し上げます。


降誕日礼拝当日の聖マーガレット礼拝堂
“ よろこびたたえよ 主イェスは生まれぬ・・・(聖歌94) ”

◆降誕日礼拝(聖餐式)で歌われた聖歌:
シャルパンティエ作曲「真夜中のミサ(クリスマス・ミサ)」(キリエ、グロリア、サンクトゥス・ベネディクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:87「もろびと声あげ」、続唱聖歌:85「ああベツレヘムよ」、奉献聖歌:79「マリアに抱かれ」、派遣聖歌:94「まきびと羊を」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考CDなど:
・CD「シャルパンティエ:真夜中のミサ」 演奏:レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル他(Archiv:UCCA-3123)
・CD「きよしこの夜~クリスマス・ソング集」 合唱:チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”(King:KICC-553)
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