三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック川越教会

2015年09月01日 | 埼玉のカトリック教会
カトリック川越教会(教会堂名:大天使聖ミカエル)
創立:1917年 ◇ 住所:埼玉県川越市六軒町1-17-15

JR八王子駅から川越(かわごえ)行の八高線に乗る。八王子駅構内に懐かしのディーゼル機関車(DE10形)が停まっていた(下写真2)。引退寸前の「昭和の老兵」ではあるが、その郷愁が漂うたたずまいをカメラに収めた。さて、埼玉の小江戸(こえど)と称される川越は古い城下町だが、市内には日本聖公会の川越基督教会(1878年創立)があり、その古い煉瓦造りの礼拝堂は文化庁の登録有形文化財に指定されている。そして、川越に於けるカトリック宣教の歴史も古い。

カトリック川越教会の沿革をおさらいしよう。「1912年、プラシード・メイラン神父は川越の六軒町に一千坪弱の土地を買収し、平屋の日本家屋を建て聖堂兼伝道館にした。当時の教会の敷地は麦畑と桑畑、その周囲には桐畑があり、教会は緑におおわれて、黙想には最適の雰囲気をかもしだした。1917年には(カトリック八王子教会の)巡回教会から小教区へと独立し、1933年には教会の敷地の中央に白亜の十字架鐘楼付の聖堂を建立した」(『北関東のカトリック』から要約)。

「鎖国政策をとった徳川幕府の親藩、または譜代大名の藩として繁栄した川越でカトリックの芽が育つのは、極めて困難であったに違いない。川越教会の洗礼台帳を見ても、洗礼第一号の信者は1892年とあり、キリスト教禁制の高札が撤去されてから20年近く経過している」(前掲書)。川越教会に着いた。旧聖堂の「白亜の十字架鐘楼」を模した屋根が目を引く。ここもまた、“歩く宣教師”・メイラン神父の足跡が残されていたのである。森閑とした聖堂内で、先人の遺徳を偲んだ。


現聖堂献堂:1992年


ディーゼル機関車 DE10-1073号機
(JR八王子駅構内にて。2012年撮影)

◆主な参考文献など:
・「北関東のカトリック」 カトリック浦和教区史誌編集委員会編(カトリック浦和教区事務所・1990年)
・「八王子教会百年」 カトリック八王子教会百年記念誌編集委員会編(同教会百年祭委員会・1977年)
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