三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

復活節第5主日の聖餐式

2013年04月30日 | 聖公会の礼拝
ツタの若葉に覆われた立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

4月28日(日)、立教大学チャペル(日本聖公会)で復活節第5主日の聖餐式に参列した。青空に映えるモリス館を仰ぐと、僅か一週間ほどでツタの若葉に覆われていた。新緑の香りが馥郁(ふくいく)と漂うキャンパスは、新入生を迎えた学園が最も華やぐ時季だ。先週に続き、図書館旧館2階の仮チャペルに向かう。私は閲覧室時代の「指定席」に座ろうとしたが、既に補助席も埋まるほどの混雑。午前10時、振り香炉と行列用十字架を先頭に、司祭団が厳かに入堂。

福音朗読はカトリックの復活節第5主日と同じ箇所。宮光司祭(立教大学チャプレン)は、「先ず神が愛してくださった。それに応えて、私たちは『互いに愛し合いなさい』という新しい掟の道を歩みましょう」と話された。この日は聖歌隊によって奉唱された陪餐アンセム「Alma redemptoris mater (救い主のうるわしき母)」が美しかった。作曲はジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ(1525?-1594年)。イタリア・ルネサンスの調べが若い人たちの歌声で、かつての閲覧室に響き渡る。

昨年、この旧館は図書館としての役割を終えた。新規オープンの池袋図書館は、「収蔵可能冊数は200万冊、閲覧席数は1520席を誇る、単館では国内の大学でも屈指の大規模」(『立教』第223号)という。池袋図書館があるロイドホールは7階建ての新校舎で、初代立教学院総理のアーサー・ロイドにちなんで名付けられた。以前の記事で触れた宣教師ロイドは、あれから聖公会系の立教学院に移っていたのだ。池袋と三田。私にとっては不思議なつながりを感じている。


図書館旧館2階の「仮チャペル」
(仮チャペルの使用期間は、2013年4月から7月まで)

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜1(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:171「小羊の宴に」、続唱聖歌:488「新しいこのおきて」、奉献聖歌:493「愛のわざは」、陪餐アンセム:パレストリーナ「Alma redemptoris mater(救い主のうるわしき母)」(聖歌隊奉唱)、派遣聖歌:410「大いなるわざを讃め」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・雑誌「立教」第223号 (立教大学・2012年)

<お知らせ>
いつも「三多摩の鐘」をご覧いただきまして、厚く御礼申し上げます。さて、ゴールデン・ウィーク期間中はブログ記事を一時休載いたしますので、何卒ご了承ください(5/8以降に再開予定)。改憲フィーバーに取り憑かれた俗世間を離れ、ひたすら「祈り」と「霊的読書」に励みます(?)。
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復活節第5主日のミサ

2013年04月28日 | ミサ聖祭
カトリック立川教会の旧司祭館・信徒会館
(住所:東京都立川市錦町2-8-10)

ゴールデン・ウィークが始まった。今年の憲法記念日は改憲の「前夜祭」となろう。多くのニッポン人にとって、現行憲法は「豚に真珠」だった。手厚く保障された人権の価値に気付かず、下劣な全体主義国家に逆行しようとしている。「自由」よりも「抑圧」を望むニッポン人は本当に愚かだ。「彼らは思慮に欠けた国民、彼らには洞察する力がない。もし、彼らに知恵があれば、悟ったであろうに。自分の行く末も分かったであろうに」(申命32・28-29)。ニッポンはどうしようもない。

4月28日(日)、立川教会で復活節第5主日のミサに与った。今年1月から、立川教会では新しい司祭館・信徒会館の建設工事が始まっている。それに伴って、従来の古い建物(上写真)は取り壊され、聖堂前の大きなクスノキも伐採された。駐車場にはユニットハウスが設置され、教会の仮事務所となっている。姿を消した旧司祭館・信徒会館は、教会併設のセントメリー保育園(1992年廃園)の旧園舎だった。新しい司祭館・信徒会館の完成は、今年10月末の予定という。

午前8時、ミサ開祭。福音朗読は、イエスが弟子たちに新しい掟を与えられた場面(ヨハネ13・31-33a、34-35)。主任司祭のチェレスティーノ・カヴァニャ神父は、「イエス様が言われた愛という言葉は、ギリシア語でアガペーといいます。自分の全てを捧げ、相手を大切にすることです」と話された。人々が「新しい掟」に目覚めた時、それは国家権力にとって脅威となろう。だから、ニッポンのメディアは半狂乱のように憎悪を煽ってきたが、今や世界に類を見ない「大戦果」を挙げている。


クスノキ(右)があった頃のカトリック立川教会

◆この日のミサ中の主な歌:
ミサ曲は読誦。入祭:典礼聖歌46「神の注がれる目は」、奉納・拝領:オルガン奏楽、閉祭:典礼聖歌410「よろこびうたえ アレルヤ」。

<付記>
この日(4/28)、安倍晋三は「主権回復の日」式典を強行。それに対して、沖縄は強く反発していた。安倍は国家の「主権」を肥大させ、国民の「主権」は弾圧しようとたくらんでいる。もちろん、今年も政府主催の「憲法記念日」式典が行われることはないだろう。
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カトリック本庄教会

2013年04月26日 | 埼玉のカトリック教会
カトリック本庄教会(教会堂名:聖マリアの訪問)
創立:1956年 ◇ 住所:埼玉県本庄市千代田1-3-28

JR高崎線の本庄(ほんじょう)駅で下車。市内北部を流れる利根川の向こうは群馬県の伊勢崎(いせさき)市だ。高崎沿線のカトリック教会巡りも、埼玉県内は今回で最後となる。真夏の炎天下、本庄教会を目指して歩いた。その途中、煉瓦造りの古い商家の脇を通った。本庄は中山道の宿場町だから、その面影が市内の随所に残されている。しかし、本庄の名を一躍「全国区」にしたのは、早稲田大学の本庄キャンパスに違いない。さて、本庄教会の沿革をおさらいしよう。

「明治以来、隣接する群馬県新町には宇都宮と前橋から、熊谷や深谷には川越から布教が行われていたが、本庄は空白地帯になっていた。1956年にフランシスコ会宣教師が赴任してきたとき、本庄には他の教会で洗礼を受けて移り住んだ人が二・三名の状態であった。同年六月、土砂降りの雨の中を高崎教会に向かう米人司祭の車から、ひとりの仏人宣教師が中山道・埼玉銀行本庄支店前で降ろされたことから、本庄での宣教が始まった」(『北関東のカトリック』より)。

本庄教会に着いた。玄関前で聖書を手にされたイエス像がお出迎え。木造の三角天井を戴く聖堂は、和洋折衷の落ち着いた雰囲気だ。その横に併設された小聖堂(下写真)に入る。美しいステンドグラスの原画は、『聖書と典礼』の表紙絵などでお馴染みのアルベルト・カルペンティール神父(1918年生。ドミニコ会)の作品だろうか。「持仏堂」のような空間の中で、私は祈りつつ涼を取った。さて、再びJR高崎線の本庄駅へ。次は群馬県の新町(しんまち)教会を訪ねよう。


現聖堂献堂:?年


カトリック本庄教会の小聖堂

◆主な参考文献など:
・「北関東のカトリック」 カトリック浦和教区史誌編集委員会編(カトリック浦和教区事務所・1990年)
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復活節第4主日の聖餐式

2013年04月24日 | 聖公会の礼拝
1918年竣工の立教大学図書館旧館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

4月21日(日)、立教大学チャペル(日本聖公会)で復活節第4主日の聖餐式に参列した。この4月からチャペルは新しいパイプオルガンの設置工事のため一時閉鎖し、図書館旧館2階を「仮チャペル」として使用することになった(下写真)。大斎節第1主日の記事でも触れたが、この図書館旧館は私にとって思い出深い場所である。大正期の雰囲気が漂う2階の閲覧室。学生時代の私は窓際の席で本を読むのが好きだったが、「仮チャペル」として再会するとは思わなかった。

午前10時、振り香炉と行列用十字架を先頭に、司祭団が厳かに入堂。この日は唱詠聖餐式(歌ミサ)だった。仮チャペルへの戸惑いも消え、昔ながらの礼拝堂のような雰囲気になった。福音朗読は、羊飼いと羊のたとえ話(ヨハネ10・22-30)。八木正言司祭(立教大学チャプレン)は、「良き羊飼いに導かれるために、まず私たちが羊飼いの声を聞き分ける羊になる必要があります。私も山羊(八木)から羊になりたいと思います」と話された。八木司祭のユーモアに会衆哄笑。

それにしても、この日の聖餐式は万感胸に迫るものとなった。私の10代最後の思いが彷徨っているような(?)図書館旧館の中で、今は香炉の煙が四方に漂い、「天使ミサ」のキリエの歌声が流れ、ハンドベルの美しい音色が鳴り響いている。ただ、窓越しに見えるモリス館や中庭のヒマラヤ杉などの風景は変わっていない。夕陽が差し込むまで読書に耽ったあの頃が懐かしい。私の「指定席」は、たいてい西側の窓辺付近だった。次回の聖餐式はその辺りに着席しようと思う。


図書館旧館2階の「仮チャペル」
(仮チャペルの使用期間は、2013年4月から7月まで)

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜1(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:327「ちよろずの使い」、続唱聖歌:333「すべてのみ民よ」、奉献聖歌:242「お招きください 主よ」、陪餐アンセム:185「あかつきの光」(聖歌隊奉唱)、派遣聖歌:462「飼い主わが主よ」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)
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復活節第4主日のミサ

2013年04月22日 | ミサ聖祭
ある晴れた日のカトリック調布教会
(住所:東京都調布市富士見町3-21-12)

福島第一原発の「汚染水」は極めて深刻な状況だ。つまり、原発事故は全く収束していない。だが、このような放射能汚染の「放置」を安倍自民に許しているのが、有権者の多数を占める(と思われる)テレビ中毒者だ。彼らは優等生の模範解答のように叫ぶ。「電力の安定供給を考えたら、脱原発は非現実的です」。何もかもメディアの「有識者」の言いなり。自分たちの子や孫が放射能汚染の犠牲にならない限り、テレビ中毒者は延々と目先の快楽に溺れているだろう。

4月21日(日)、調布教会で復活節第4主日のミサに与った。その前に信徒会館で『カトリック生活』最新号(ドン・ボスコ社)を購入。新教皇フランシスコの20ページ近い大特集である。その中で、「新教皇は身近な先輩だった」というアイダル神父(イエズス会神学院院長)の記事が最も印象深かった。「これまでの彼(新教皇)の目立たない、誰からも評価されない小さな行動が、今の彼の人柄をつくり上げていると思います。ここに希望を見たような気がします」(アイダル神父)。

午前8時、ミサ開祭。福音朗読は、羊飼いと羊のたとえ話(ヨハネ10・27-30)。司式の小坂正一郎神父は、「永遠の命に生きるまで、私たちはこの世で苦しむこともある。しかし、良い牧者に自分を委ね、その声に従うなら、『だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない』とあるように、力強い導きの手を差しのべてくださるのです」と話された。さて、この日は世界召命祈願の日。『聖書と典礼』の神学生による召命体験記が心に沁みた。神の思し召しは本当に不思議だ。


調布サレジオ神学院地下聖堂

◆この日のミサ中の主な歌:
ミサ曲1(典礼聖歌203-206)、入祭:典礼聖歌13「アレルヤ」、奉納:典礼聖歌49「神の名は」、拝領:典礼聖歌156「めぐみのパン」、閉祭:「信仰年」公式聖歌「クレド・ドミネ(主よ、わたしは信じます)」。

◆主な参考文献など:
・「カトリック生活」5月号 (ドン・ボスコ社・2013年)
コメント (2)
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