三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック入間宮寺教会

2015年11月06日 | 埼玉のカトリック教会
カトリック入間宮寺教会(教会堂名:主の昇天)
創立:1911年 ◇ 住所:埼玉県入間市宮寺2837

西武池袋線の入間市(いるまし)駅から、入間市博物館行きの西武バスに乗り、博物館入口停留所で下車。角を曲がると、東京のカトリック泉町教会とよく似た聖堂が出現。入口前の「入間市景観50選」の説明板を転記しよう。「毎週日曜日の朝、カランカランと鐘が響きます。(中略)宮寺教会は、明治43年(1910)、メーラン神父によって、カトリック教会としては埼玉県で最初に作られた教会です。時代を越えた普遍的な光景は今でも続いています」。畳敷きの現聖堂は、1911年の献堂である。

旧宮寺村の川嶌清蔵らは商用で八王子の泉町を訪れ、そこでカトリック伝道士の山上卓樹との知遇を得た。1886年、清蔵ら10人の村人はヴィグルー神父(パリ外国宣教会)から受洗し、宮寺での教会創立の原動力となる。その後、八王子からメイラン神父が宮寺を巡回司牧で訪れるようになり、川嶌家でミサを捧げていたが、1911年に現在の鐘塔付き聖堂が献堂された。入間市内の武蔵豊岡教会(日本基督教団)礼拝堂(ヴォーリズ設計)と共に、埼玉県に現存する貴重な教会建築と言えよう。

聖堂の内部は「畳敷きのワンルームで、一段高い祭壇の部分は板敷き。真ん中の畳を一列だけ縦使いにして、祭壇の中心性を高めている。メイラン神父の指導の下に、地元の大工が苦労して教会建築を手掛けた様子がうかがえる」(『百年誌』から要約)。祭壇の左右には、メイラン神父がパリから取り寄せた小さなステンドグラスもある(下写真2)。明治後期の古い聖堂内はメイラン神父や村人たちの賛美の歌声が残っているかのようだ。現在、入間宮寺教会は所沢教会の巡回教会となっている。


現聖堂献堂:1911年
<入間宮寺教会でのミサの様子は、こちらを参照


<メイラン神父がパリから取り寄せたステンドグラス>

◆主な参考文献など:
・「みやでら カトリック入間宮寺教会100年の歩み」 同教会百周年記念誌編纂委員会編(同教会・2011年)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする