ツタの若葉に覆われた立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)
5月26日(日)、立教大学チャペル(日本聖公会)で三位一体主日の聖餐式に参列した。復活節第5主日に続き、図書館旧館2階の仮チャペルに向かう。この日、ようやく私は閲覧室時代の「指定席」を確保。窓越しに見える風景が懐かしかった。午前10時、振り香炉と行列用十字架を先頭に、司祭団が厳かに入堂。なお、このプロセッション(入堂行列行進)で、振り香炉、十字架、蝋燭を捧持するアコライト(侍者)を、それぞれサリファー、クロスベアラー、トーチベアラーと呼ぶ。
入堂聖歌「聖なる 聖なる」を歌う。ダイクス(注)作曲の「英国聖歌中の珠玉の秀歌」で、キングス・カレッジ聖歌隊のCDを通してご存じの方も多いと思う。ダイクスはS・ウェズレー、モンクらと共に、19世紀英国の代表的な聖歌作曲者である。私も不協和音を顧みず熱唱(?)。さて、この日の福音朗読はカトリックの三位一体の主日と同じ箇所。説教は立教小学校のチャプレンが担当されたが、「真理」の説明にかなり四苦八苦されていたようだ。私の鈍い頭は混乱してしまった。
礼拝後、この日もキャンパスを散策した。モリス館前の道を西へ進むと、緑のトンネルのような並木道に入る。これが歌手・灰田勝彦氏の名唱で親しまれた「鈴懸の径(すずかけのみち)」である。1942年の流行歌だが(この年、ミッドウェー海戦大敗)、戦時中とは思えない抒情歌の傑作である。私は立教を去ってから、倍賞千恵子さんの歌で「鈴懸の径」を聴く機会があった。「友と語らん 鈴懸の径。通いなれたる 学舎(まなびや)の街・・・」。あの頃に戻って、やり直せたらと思う。
池袋キャンパスの鈴懸の径(すずかけのみち)
“ やさしの小鈴(こすず)、葉かげに鳴れば・・・ ”
(注):John Bacchus Dykes(1823-1876年)。英国聖公会司祭。英国の代表的な聖歌集『 Hyms Ancient & Modern 』の編纂に参与。ダイクスのもう一つの傑作聖歌「 Eternal Father 」は米英海軍・海兵隊の賛歌に転用され、米国大統領の国葬の際に演奏されたこともある(近年では、レーガン元大統領の葬儀で軍楽隊が演奏)。『日本聖公会聖歌集』にも収録されている(342「とこしえの父は」)。
◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜2(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:200「聖なる 聖なる」、続唱聖歌:436「天よりくだり」、奉献聖歌:339「み座(くら)を囲める」、陪餐アンセム:Friedell作曲「Draw us in the Spirit's tether」(聖歌隊奉唱)、陪餐聖歌:246「憂いを脱ぎ去り」、派遣聖歌:201「父子聖霊の」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)
◆主な参考文献・CDなど:
・「聖歌のしらべ 古今聖歌集作曲者略解」 佐藤裕著(聖公会出版・1987年)
・「私たちと礼拝」 竹内淑子、竹内謙太郎共著(聖公会出版・2003年)
・CD「キングズ・カレッジ合唱団の讃美歌集」 キングズ・カレッジ合唱団(London:POCL-5070)