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日本基督教団 根津教会
(住所:東京都文京区根津1-19-6)
(住所:東京都文京区根津1-19-6)
地下鉄千代田線の根津駅で下車。この辺りは谷根千(やねせん。谷中・根津・千駄木の総称)と呼ばれ、人気の高い下町散策コースだ。また、東京大学本郷キャンパス周辺の「教会銀座」の一端でもある。夏目漱石の『三四郎』ゆかりの本郷中央教会、芥川龍之介の学友に強い影響を与えた弓町本郷教会、東大前駅の最寄りに西片町教会、そして木造礼拝堂が美しい根津教会がある。いずれもプロテスタント教会であり、しかも戦前建築の貴重な礼拝堂が現存している。
根津教会に到着。私が礼拝堂にカメラを向けていると、下町のイナセなご老人が「大正時代に建てられたんだってさ!」と話しかけてきた。「首都圏全域に壊滅的打撃を与えた関東大震災でも、1945年の東京大空襲でも、この小さな礼拝堂は周囲の町並みと共に奇跡的に生き残りました。1910年代の木造西洋館が完全な形で東京に残っているのはとても珍しく、2001年には景観としてこの建物を愛する方々のご協力を得て、国への文化財登録も行いました」(教会案内書)。
「礼拝堂の中に入ると、先ず目につくのが説教壇の位置でしょう。それは隅にあり、会衆のための長椅子は扇型に配置されているのです。これは全会衆が牧師の説教に集中し、また牧師の真後ろにある十字架に集中できるようにという配慮で、メソジスト系キリスト教会建築の特徴です」(前同)。私が卒業したプロテスタント系高校もメソジスト派の米国人宣教師が創立したから、何となく親近感と郷愁感が湧いてくる。もっとも、我が母校のチャペルは打放しコンクリートだったが。
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礼拝堂内観
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礼拝堂外観
(1919年竣工。文化庁登録有形文化財)
◆主な参考文献など:
・「この人を見よ 芥川龍之介と聖書」 関口安義著(小沢書店・1995年)