聖金曜日を迎えたカトリック立川教会
(住所:東京都立川市錦町2-8-10)
(住所:東京都立川市錦町2-8-10)
3月29日(金)、立川教会で聖金曜日の祭儀に参列した。この日、教会は「ミサ」を捧げず、イエスの死を思う「祭儀」が行われ、それは第一部「ことばの典礼」、第二部「十字架の崇敬」、第三部「交わりの儀(聖体拝領)」という構成。聖堂に入ると、告解室の扉が開かれ、そこに既聖別の御聖体が安置されていた。私は昨年の備忘録を思い出しつつ、祭儀の始まりを待った。午後7時、司祭が沈黙のうちに入堂。チェレスティーノ・カヴァニャ神父は祭壇の前で跪かれた。
第一部「ことばの典礼」では、ヨハネによる主イエス・キリストの受難が朗読された(ヨハネ18・1~19・42)。この日は説教の代わりに十字架の犠牲への黙想となった。私にとって大切な十字架の木。それはカトリック信徒だった祖父の遺品だ(下写真)。木製の十字架はパレスチナ地方産という。現在、私の部屋の壁を飾っているが、もちろん「インテリア」の一品ではない。「 Ecce lignum crucis, in quo salus mundi pependit(見よ、世の救いの懸けられし十字架の木を)」。
教皇フランシスコは受難の主日に、「皆様はキリストの十字架を恥じてはなりません。むしろ十字架を受け入れなければなりません」と説かれた(カトリック中央協議会訳)。そして、十字架の聖ヨハネの言葉。「十字架に釘づけられたキリストだけで満足するがよい。かれとともに苦しみもし、いこいもすること。そして、そのために、内的外的のすべてにおいて、自分を無とすること」・・・。神に救いと赦しを求めながら、私はその源泉が十字架そのものにあることを忘れている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/eb/cf4bb6b2a97a0b60a1a6084921735048.jpg)
祖父の遺品の十字架
(縦25.5cm×横13.0cm)
◆祭儀中の主な歌:
十字架の崇敬:典礼聖歌332「十字架賛歌(1)クルーチェム・トゥアム」、典礼聖歌336「十字架賛歌(2)クルス・フィデリース」、拝領:典礼聖歌82「神を敬う人の死は」。
◆主な参考文献など:
・「十字架の聖ヨハネ 小品集」 東京女子跣足カルメル会訳(ドン・ボスコ社・1991年)