日本聖公会 聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂
(住所:東京都中央区明石町10-1)
(住所:東京都中央区明石町10-1)
聖路加国際病院の旧館玄関の右側に、1930年竣工時の定礎石(下写真)が見える。そこに刻まれた「神の栄光と人類奉仕のため」という文言は、戦時中に軍部から覆い隠すことを強制された。さらに旧館塔上の十字架も憲兵隊の圧力を受けて撤去された。ニッポンの軍国主義、ニッポン人の愛国心ほど醜悪なものはない。今や「昭和のテレビ中毒世代」はヘラヘラ笑いながら、安倍晋三という極右の笛吹き男と共に、狂気の再来を夢見ている。「悟りのない民は滅びる」(ホセア4・14)。
6月22日(日)、聖路加国際大学の聖ルカ礼拝堂(日本聖公会)で、聖霊降臨後第2主日の聖餐式に参列した。今年の4月、聖路加看護大学は病院との法人一体化に伴って、校名を聖路加国際大学と改称し、聖ルカ礼拝堂も病院から大学に附属するチャペルとなった。午前10時30分、司祭と奉仕者が厳かに入堂。福音朗読は、イエスが「魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れよ」と言われた場面(マタイ10・24-33)。この日は聖歌隊によって、プーランクの続唱アンセムが奉唱された。
関正勝司祭は、「先日、私は仙台へ行きましたが、今も被災地では『なぜ』という思いがあります。神に『なぜ』と問うことは無意味とする見解もありますが、『なぜ』と問うことによって、私たちは神を求める。今日の福音でイエスが言われた『恐れるな』に希望を求めつつ、私たちは『なぜ』という告白の中から、神と新しい世界に出会うのです」と話された。大震災後、私は「神に『なぜ』と問わない」風潮に違和感を覚えていた。関司祭も指摘されたが、「なぜ」と問うことは、むしろ「神理解」と思う。
聖路加国際病院旧館の定礎石。揮毫は徳川家達公爵。
(上下12個の穴は戦時中に遮蔽板で覆った傷跡)
<追記>
サッカーW杯のブラジル大会で「史上最強のサムライブルーが世界を制覇する!」と豪語していたニッポンは、あっけなく一次リーグ「最下位」という結果で敗退。その“夜郎自大(やろうじだい)な国民性”は、かつて「忠勇無双の皇軍が米英中国を撃滅する」と喚き散らしていた狂気が漂う。今も昔も相手(国)を見くびってきたニッポンは、集団的自衛権に基づく「戦争」でも同じ過ちを繰り返すだろう。「精鋭無比の自衛隊が武装勢力との戦いに勝利する!」。ニッポン人の慢心は「自滅」を招くだけだ。
◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜(キリエ、大栄光の歌、サンクトゥス、アニュス・デイ)、オルガン前奏:「来たれ聖霊、創り主なる神」(ウッドマン)、参入聖歌:6「光 空に満つ」、続唱アンセム(聖歌隊奉唱):「恐れとおののき」(プーランク)、奉献聖歌:389「主イェスよ われらの礎となり」、陪餐聖歌(聖歌隊奉唱):200「聖なる 聖なる 聖なるかな」、陪餐奏楽(オルガン):「喜びをもて汝を装いせよ」(ペータース)、派遣聖歌:403「いともかしこし イェスの恵み」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)
◆主な参考文献など:
・「聖路加国際病院の100年」 聖路加国際病院100年史編集委員会編(聖路加国際病院・2002年)
・「東京教区時報 ≪コミュニオン≫第15号」 東京教区広報委員会編(日本聖公会東京教区・2014年)