晴天に恵まれたカトリック八王子教会
(住所:東京都八王子市本町16-3)
(住所:東京都八王子市本町16-3)
3月27日(日)、カトリック八王子教会で四旬節第3主日のミサに与った。この日も放射能の恐怖は続いていた。今や日本の原発は「世界の迷惑」としか思えないが、それを伝える我が国のマスコミは極めて抑制的な論調だ。中国製の冷凍ギョーザ事件の時は、集団ヒステリーのように世論を煽っていたくせに、今回は菅政権と東電を温かく見守っている。何かがおかしい。「直ちに健康への影響はない」との“大本営発表”を聞くたびに、私は疑心暗鬼になっている。
漠然とした不安を抱えてのミサとなった。八王子教会へ着くと、私は聖堂裏の西隅にあるルルドを訪ねた。これは八王子教会出身の神学生3人が司祭に叙階されるのを記念して、1954年に造られたもの。神学生の一人に、後の枢機卿となった白柳誠一師もいた。「聖ベルナルドも言わるる如く、沈むことを免れたいと思うなら、我等の目をあげ、光より離れず、切にマリアを通じて救いと憐れみを求めよう」。 当時、主任司祭だった西田佐市神父の言葉である。
聖堂に入ると、黙想会が行われていた。講師は聖パウロ修道会の澤田豊成神父。既に会衆席は超満員だ。私は講話の大半を聞き逃した。遅刻を悔い改め、ミサ開祭。主任司祭の稲川圭三神父との共同司式である。この日は手話通訳が付いていた。聴覚障害の信徒も手話で祈りを唱える。胸を打たれる姿だ。澤田神父は「四旬節中の祈り」を強調された。イエスは「明日のことまで思い悩むな」と諭される。私も悲観的になる時間を、希望を託す祈りに捧げよう。
◆主な参考文献など:
「叙階五十年を活きる」 西田佐市神父金祝記念事業実行委員会編(カトリック八王子教会・1987年)