東京純心女子学園聖堂(八王子市)
待降節に入る前日(11月27日)、東京純心女子学園聖堂で行われた「グレゴリオ聖歌による無原罪の聖マリアのミサ」に与(あずか)った。八王子の滝山丘陵にそそり立つ東京純心女子学園は、中学・高校・大学を擁するカトリック系の学校法人(1964年、長崎純心聖母会が設立)。聖母マリアが見守る丘の上のキャンパスは、クラブ活動に励む乙女たちの声で満たされていた。プロテスタント系の男子校を卒業した者の目には、すべてが華やかで清らかに映る(笑)。
学園聖堂は正門から勾配を少し上ったところにある。やや小規模な「おみどう」だが、大きく取られた窓から明るい光が一杯に差し込む。シンプルなステンドグラスの照射が美しい。ミサ開祭に先立ち、石川和子シスターによる短いレクチャーがあった。石川シスターは「ミサ曲2」などの作曲者であり、グレゴリオ聖歌の研究者。本日の聖歌隊の指揮も執っている。「高い音階には意味があります。例えば、ここのDeo(神)の歌詞では・・・」といった名調子で解説をされる。
ミサ開祭。司式は松戸教会(千葉県)の宮下良平神父。配布された小冊子をもとに、祭儀はすべてラテン語で進められた(説教などを除く)。約15名の聖歌隊は、純心女子学園の関係者で結成された「コール・マリエ」。グレゴリオ聖歌をナマで(かつ女声で)聴くのは初めてだったが、吉田秀和氏が「LP300選」(新潮文庫)で指摘するように、「《霊性》の直接的な表現」が豊かで、「リズムの自由な、純粋に《歌》であるところの音楽」だ。 全く清々しい気分になった。 神に感謝。
宵闇の東京純心女子学園聖堂