三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック目黒教会

2011年04月03日 | 東京のカトリック教会
カトリック目黒教会(教会堂名:聖アンセルモ)
創立:1947年 ◇ 住所:東京都品川区上大崎4-6-22

JR山手線の目黒駅で降りる。ドレメ通りに入る手前で、昭和のアイドルを輩出したホリプロの本社ビルが見えた。妙に感激しているうちに、徒歩数分で目黒教会に到着。ここの守護聖人にちなんで、「聖アンセルモ教会」とも呼ばれている。アンセルモ(カンタベリーのアンセルムス)は、スコラ神学を創始した中世の聖人。その名を戴く聖堂は、巨大なトレジャー・チェスト(宝箱)のように見える。赤く塗られたコンクリート打放しの外壁に、私は遠い昔の記憶を重ねた。

この聖堂を設計した建築家は、チェコ出身のアントニン・レーモンド(Antonin Raymond:1888-1976年)。代表作として、南山大学の名古屋キャンパス校舎、東京女子大学礼拝堂などが知られている。以前、吉祥寺教会の記事で触れたが、私は中学時代を名古屋で過ごした。当時の記憶の中に、カトリック系の南山大学も残っている。赤く塗られた校舎の外壁が、夏の日差しに照らされ、丘の上で輝いていた光景が忘れられない。目黒教会とよく似た彩色だった。

目黒教会には、CTIC(カトリック東京国際センター)が併設され、日本に滞在する外国人のための信仰支援、生活・労働相談などを行っている。CTICによれば、「日本のカトリック教会の信徒数は、日本人よりも外国人の方が多い」という。ここ数年、私は内向きな風潮が蔓延する日本が恐ろしい。ましてや、そんな空気の中で暮らす外国人は深刻な不安を抱えているはずだ。「汝の隣人」に国籍要件は無いのだから、CTICに寄せられる期待は大きいと思う。


現聖堂献堂:1956年

◆主な参考文献など:
・「カトリック神学」 ピエール・アドネス著・渡辺義愛訳(白水社・1968年)
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