三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック朝霞教会

2015年07月15日 | 埼玉のカトリック教会
カトリック朝霞教会(教会堂名:諸聖人)
創立:1971年 ◇ 住所:埼玉県朝霞市本町3-2-56

東武東上線の朝霞(あさか)駅で下車。市内には陸上自衛隊朝霞駐屯地があり、3年に1度の中央観閲式はここで行われる。陸上自衛隊がパレードする際の「陸軍分列行進曲」(注)は、戦時中の学徒出陣の記録映像でも流れていた悲愴な調べである。2015年7月、「国家神道原理主義」の自民党と「平和と福祉の党」を詐称する公明党が恐るべき「戦争法案」を強行採決しようとしている。再び「陸軍分列行進曲」と共に、若者たちが「殺し、殺される」戦場へ送られるのか。

カトリック朝霞教会の沿革をおさらいしよう。「1970年当時、司牧と宣教の空白地帯になっていた朝霞では、急速な都市化に伴う転入者の信徒が隣接する諸教会に通っていた。そのため、朝霞駅前のマンションの一室を借り、この地域の信徒を結集し、『朝霞カトリック同志会』と称して司牧と宣教を開始した。しかし、小さなマンションに大勢の信徒が出入りする問題などから、自分たちの教会を望む声が高まり、1971年に教会堂を建設した」(『北関東のカトリック』から要約)。

朝霞教会に到着。壁面にPX(パックス)の文字がなければ、ここが教会とは思えない外観である(しかも、一般の人々がPXの意味を理解しているとは思えない)。遠目には工務店かリフォーム会社の営業所のように見えてしまう(失礼!)。朝霞教会は司祭が常駐していないのだが(2012年10月訪問時)、この日は聖堂の扉が開いていた。内部は静かな祈りの空間であり、聖櫃が祭壇脇の「床の間」に安置されている。小さな聖母子像に活けた大きな花が美しい(下写真2)。


現聖堂献堂:?年


カトリック朝霞教会の聖母子像

(注):1886年、いわゆる「お雇い外国人」として来日したフランス陸軍の軍楽隊長シャルル・ルルー大尉が作曲。1897年頃、旧陸軍の公式行進曲に制定され、第二次大戦後も陸上自衛隊が演奏している。

◆主な参考文献・CDなど:
・「北関東のカトリック」 カトリック浦和教区史誌編集委員会編(カトリック浦和教区事務所・1990年)
・CD「吹奏楽大全集Vol.3 祝典行進曲」 演奏:陸上自衛隊中央音楽隊ほか(Crown:CRCI-20351)
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チマッティ神父の「月命日」ミサ

2015年07月07日 | ミサ聖祭
調布サレジオ神学院前のドン・ボスコ像
(住所:東京都調布市富士見町3-21-12)

新国立競技場の無謀な建設計画が迷走している。アテネや北京五輪では、開催国の「無能」を罵っていた傲慢なニッポン人が、今や嘲笑の的となり、滑稽な「バベルの塔」を巨額の工費でこしらえようとしている。以前、某カリスマ神父は「(五輪よりも)『やるべきことあるだろう』とか文句言う人は、その『やるべきこと』をやっているのか」と言い放った。だが、この国に安倍晋三の大嘘が招いた五輪の「現実逃避」は必要ない。「やるべきこと」は、為政者の妄言に与(くみ)しない良識を養うことだろう。

7月6日(月)、調布のチマッティ記念聖堂で、チマッティ神父の取次を願うミサに与った。毎月6日はチマッティ神父の「月命日」で、その遺徳を偲ぶ特別なミサが捧げられている。この日はうっとうしい梅雨空にもかかわらず、聖堂は多数の会衆が集まっていた。午前10時30分、ミサ開祭。入祭の歌「刈り入れは」や荘厳なミサ曲など、“音楽家”チマッティ神父の名歌を歌う。司式はチマッティ資料館館長のガエタノ・コンプリ神父。福音朗読は「指導者の娘とイエスの服に触れる女」(マタイ9・18-26)。

「先月、教皇様が環境問題への回勅『ラウダート・シ(Laudato si')』を発表されました。神様が自然を創造されたのに、私たちはそれを軽んじている。自然破壊、人命軽視の風潮は、神様を理解していない証拠です。自然科学の博士号を取得したチマッティ神父は、自然界が神の家(ベテル)であることを分かっていました」。コンプリ神父の説教は示唆に富んでいた。いま、原発再稼働や戦争法案を強行せんとする極東の愚かな島国は、教皇様のメッセージをどのように受け止めるのだろうか。


チマッティ神父(左)とアントニオ・カヴォリ神父(右)
<昭和初期、宮崎・大分「独立宣教区」時代の写真>


チマッティ神父、愛用の眼鏡と懐中時計
<前掲写真と共に、チマッティ資料館で撮影>

◆この日のミサ中の主な歌:
チマッティ神父のミサ曲(1940年作の日本語ミサ曲)、入祭:「刈り入れは」、拝領:「輝ける聖母マリア」、閉祭:「アヴェ・マリア」(以上、チマッティ神父作曲)。
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