カトリック大磯教会(教会堂名:キリスト信者発見の聖母)
創立:1950年 ◇ 住所:神奈川県中郡大磯町東町2-7-1
創立:1950年 ◇ 住所:神奈川県中郡大磯町東町2-7-1
JR東海道線の大磯駅で下車。瀟洒な三角屋根の駅舎は大正時代の建築である。大磯といえば、ラジオCMなどでおなじみの「ロングビーチ」が有名だが、古くから海浜の別荘地として栄えてきた。晩年の島崎藤村もここに移り住み、それが終(つい)の棲家となった。若き日の藤村は、明治学院の在学中に、キリスト教の洗礼を受けた。小説「桜の実の熟する時」には、その「受洗の儀式」の体験が描かれている。ちなみに、藤村の墓は大磯の地福寺にある。
大磯教会に着いた。松林の中に、瓦葺きの聖堂が建っている。教会の敷地はかなり広く、戦前の建築と思われる古い木造の信徒館や、驚いたことにテニス・コートさえもあった(教会の案内書によれば、「いつでも、どなたでもプレーできます」とのこと。要・問合)。平塚教会の記事でも触れたように、大磯教会もアイルランドの聖コロンバン会によって創立された。藤沢から真鶴までの間、湘南の海沿いに素朴な教会群が形成され、日帰り巡礼の旅も可能である。
聖堂に入る。和洋折衷の落ち着いた空間を設計したのは、スイス出身のフロイラー神父である(フロイラー師については大和教会の記事参照)。教会の案内書によれば、「どうぞゆっくり座って松の葉音や波の音の奥にある心の声に耳をすませて、静かに祈りの時をお過ごしください」とある。万葉集などに歌われた「こゆるぎの浜」は、大磯教会のすぐ近くだ。私は立ち去りがたい思いを抑えて、再び小田原行きの東海道線に乗車。次は隣駅の二宮教会を訪ねよう。

現聖堂献堂:1960年

教会敷地内の古い木造の信徒館
◆主な参考文献など:
・「新潮日本文学アルバム 島崎藤村」 三好行雄編(新潮社・1984年)
・「桜の実の熟する時」 島崎藤村著(岩波文庫・1969年)