三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック吉祥寺教会

2011年01月20日 | 東京のカトリック教会
カトリック吉祥寺教会(教会堂名:聖霊)
創立:1949年 ◇ 住所:東京都武蔵野市御殿山1-7-8

調布教会を訪ねた後、小田急の路線バスに乗って、吉祥寺を目指すことにした。古刹の深大寺や神代植物公園のある丘を越えて、ちょっとした小旅行を楽しんだ。バスが井の頭公園の森に入ると、ようやく吉祥寺教会が見えてきた。この辺りを御殿山と呼ぶのは、鷹狩りに訪れた徳川将軍の休憩所があったことによる。公園内の井の頭池は「旱魃(かんばつ)にも涸るゝ事なし」と謳われ、古くから貴重な水源であった。ここから江戸の町に流れる水道を神田上水という。

吉祥寺教会の敷地は広い。ベンチが置かれ、公園のような雰囲気だ。入口には瀟洒なマンションが建ち、その三階までを教会の施設が占める。サンパウロ(聖パウロ修道会)の売店もある。視界の奥まったところに、聖堂の三角屋根が見えた。現在、吉祥寺の信徒数は五千人を超え、都内でも有数の大教会である。かつての分教会時代を想像するのは難しい。この吉祥寺は神言修道会(注)の担当教会であり、歴代主任司祭らも神言会の出身者が多い。

私は中学・高校時代を名古屋で過ごした。自宅から数分のところに南山教会があった。そこは神言会日本管区の主聖堂である。私は東京の旧宅に引っ越す際に、ラジカセで南山教会の鐘の音を録音した。今も古いテープに懐かしい響きが残っている。教会の向こうには、南山学園ライネルス館。重厚な造りの校舎は、上智大学1号館などを手がけたマックス・ヒンデルの設計だ。この学園の経営母体も神言会である。私は吉祥寺の聖堂で、神言会との巡り会いを考えた。


現聖堂献堂:1954年
大和教会などを手がけたカール・フロイラー神父の設計>


楽廊から1階席を見おろす

(注):神言(しんげん)修道会(Society of The Divine Word)は、1875年にアーノルド・ヤンセン神父がオランダで創立した。日本管区本部は、愛知県名古屋市(昭和区南山町)にある。
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