エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

安曇野の碌山美術館

2011年07月25日 | 旅行
信州の安曇野の穂高にある碌山美術館は、文化の香りが匂い立っている。
「おひさま」の舞台となっている安曇野地方である。



今の季節、深い緑に包まれている教会風の建築物の本館である。



入って直ぐの場所に佇んでいるのは、この彫像である。
筋骨隆々とした「労働者」である。
萩原碌山の代表作の一つである。



本館の標識である。
「碌山館」である。

もともと、ここは「東洋のロダン」として知られる東穂高村(のちの穂高町(現在の安曇野市))出身の近代彫刻家・荻原碌山の個人美術館であって、彼の作品と資料の蒐集、保存および公開を目的として、1958年4月に開館したミュージアムなのである。



中庭の佇まいである。
大きな木のベンチが座り心地が良い。

この場所は、おひさまがカンカン照りでも緑の滴りの中に在って比較的涼しいのである。



美術館の隣りは、穂高東中学校である。
テニス・コートが隣接している場所である。
夏休み中であり、中学生たちの声は漏れてこなかった。



この彫像の後ろに、比較的新しいレンガ作りの建屋が見える。
ぼくが初めてこの碌山美術館を訪なった時には無かった建物である。

冬、凍てつく寒さの中で自動車免許取りたての腕で、国道20号線を走り辿り着いたのであった。
その時、あった建物は本館とグズベリーハウスの二つだけであった。



これがグズベリーハウスである。
凍えた身体で、この木造の建物に入っていったのであったけれど、誰も人は居らず電気ポットとお茶の用意がしてあった。

「ご自由にどうぞ」とでも書いてあっただろうか、ぼくはこのポットから急須に湯を注ぎ入れ、いっぱいのお茶を飲んだのであった。



今は売店と展示物に溢れていて、往時の面影は偲びようも無い。
寂しいけれど、時代の流れだろうか。



グズベリーハウスとこの本館だけの碌山美術館。
プラタナスの木が濃く網膜に刻印されていたけれど、今そのプラタナスが何処にあったのか縁(よすが)とてない。

安曇野は青春の思い出が詰まっている。





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 荒野人


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