エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

枯れススキの歌

2009年11月18日 | 日記
高原のススキはもう枯れている。
枯れたススキは、銀色の穂を逆光の中でキラキラさせているのである。
ふっくらとした穂先は、あらゆる出来事を吸収する。



魔法の穂先である。
森羅万象、内部で棲息する魑魅魍魎、あらゆる形の在るものが吸い込まれるのである。
宇宙のブラックホールを地球上で体現しているとも言える。

ここから新しい生命体が産まれるのである。



ぼくはススキに「わび」を感じるのである。
「わび」とは、新たなる感性の覚醒を促すと信じているのである。

日本の伝統的な感覚として喧伝(けんでん)されるけれど「違う!」と言いたいのである。

ぼくは「わび」が空間の覚醒であると言いたいのだ。
空間からしか、新たなる生命は誕生しない。
そのフレキシブルな受け止めこそ、ススキが促すものである。



高原のそこかしこに穂を揺らせている風情は、決して虚しいものではない。
新たなる生命の誕生を予感させる風情である。



東京の我が家の近くのススキは、まだ枯れていない。
秋が深まる前に冬になってしまうのだろうか。




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                     荒野人


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